| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國分 牧衛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40323084)
中村 貞二 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70155844)
斎藤 満保 宮城大学, 食産業学部, 教授 (50196010)
中村 聡 宮城大学, 食産業学部, 助教授 (00289729)
根本 圭介 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40211461)
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| Research Abstract |
宮城大内の水田で,昨年度同様に,アキヒカリ×IRAT109戻し交配由来組換え近交系106系統を慣行法と深水管理で栽培,生育と収量関連形質を調べ解析した.また,東北大学では,亀の尾×Dularのイネ組替え近交系180系統をポットで栽培し,分げつ数の測定をするとともに,種子の増殖を測った.
水田栽培からは,最高茎数のQTLは昨年度同様の第5,12染色体と新たに第6染色体に検出された.稈断面積のQTLは昨年度同様第2,5,6染色体に検出された.また,最高茎数および稈断面積の深水応答に関するQTLを調べた.〔深水区の最高茎数〕/〔慣行区の最高茎数〕のQTLは,第5,12染色体最高茎数QTLと同一領域で,LOD値に有意差は確認できないものの存在が示唆された.この両QTL領域には、〔深水区の稈断面積〕/〔慣行区の稈断面積〕の強力なQTLも検出され,IRAT109のアレルが,深水による分げつ抑制と稈の肥大効果を高める方向に作用していた.この結果から、昨年確認できた第5染色体に加え,第12染色体の最高茎数QTLも,稈の太さへの強い補償作用をもつQTLであり,それとともに,深水応答に関して大きなアレル間差を持っていることが明らかとなった.
また,来年度の実験に備え,2年間のデータをもとに,深水管理が茎数と稈の太さとに与える影響を解析するための10系統を選び出した.
2年間の実験により,稈の太さへの補償能力を持つ最高茎数QTLが検出できたことにより,深水栽培により茎数増加が抑制され,それによりイネの茎が太くなるという因果関係を確認することはできた.それと同時に,太さへの補償作用の認められない最高茎数QTLも検出され,深水栽培が直接的に茎を太くする側面もあることが推察された,これは,茎数の制御と太さの制御とをある程度切り離して管理できる肥培技術に結びつけられる可能性が示されたと考えられた.
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