Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國分 牧衛 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (40323084)
中村 貞二 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (70155844)
斎藤 満保 宮城大学, 食産業学部, 教授 (50196010)
中村 聡 宮城大学, 食産業学部, 助教授 (00289729)
根本 圭介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40211461)
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Research Abstract |
1)深水条件に対するイネの応答の解析:アキヒカリxIRAT109戻し交配由来組換え近交系106系統を用い,宮城大内の水田で,2004年度と2005年度に栽培して収穫保存しておいた材料を用い,収量関連形質について調査し解析した.また,昨年度までの調査から,茎数と穂数の遺伝子型×水管理交互作用について解析した.その結果,分げつ数のQTLには,水管理との交互作用が大きいQTLと交互作用が小さいQTLとがあることが示唆された.収量に関しては,穂数がQTLレベルで,収量と直接関わっていたが,この効果は一穂籾数への補償作用を通して相殺されることもあった.このような年次によって現れることもある補償作用の有無が,収量のQTLの現れ方の年次変動を規定していた.また,東北大学で,同組替え近交系106系統をポットで栽培し深水処理をし,分げつ数のQTL解析を行った.解析に伴い,必要な染色体の部分にっいて,さらに詳細な遺伝子型判別を行った. 2)茎数と茎の太さ,穂の大きさの形態的な関連性の解明:現行の深水栽培での中心品種であるコシヒカリとササニシキを用い,ポット栽培で極端な深水処理を行い,形態的調査をした.その結果,深水処理により茎数が抑制され,伸長節間がより長くより太くなった.しかし,同位置での維管束数には差がなかった.また,深水処理により,破生通気腔の発達が促された.一穂籾数はササニシキでは深水処理により増加したがコシヒカリでは処理の影響は認められなかった. 3)深水応答性に関する実験に利用しやすい系統の選抜:1)の組換え近交系106系統から,生育に特徴のある14系統を選抜し,宮城大内の水田で慣行法と深水管理で栽培し,生育等を調べた. 以上の結果を基に,栽培技術の作用機構として,環境的要因に対しての遺伝的補償作用について考察した.
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