2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネ籾殻におけるシリカ集積と熱変換処理による籾殻灰の高度化利用
Project/Area Number |
16380117
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 稔 京都大学, 農学研究科, 教授 (60026599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 祐嗣 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (70151686)
高部 圭司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183449)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助手 (60273489)
中村 薫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (10101239)
粟野 達也 京都大学, 農学研究科, 助手 (40324660)
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Keywords | イネ科植物 / モウソウチク / シリカ / 表皮 / ケイ素 / 稈 / 地下茎 |
Research Abstract |
イネ科植物であるモウソウチク(Phyllostachys pubescens)を用いて、シリカの形成過程を調べた。2005年4月から9月にわたり定期的にモウソウチクの稈を採取し、無酸素条件化で過熱して炭化させ、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。稈の表皮には直径10μm程度の画鋲状あるいは円錐状の構造物が観察された。表皮細胞は上下に並ぶように配列しているが、画鋲状あるいは円錐状の構造物は上下に並ぶ表皮細胞間の細胞間隙に分布していた。この構造物の元素分析を行うと、ケイ素が検出された。したがって、この構造体はシリカでできているものと思われる。画鋲状あるいは円錐状のシリカは地上稈や地下茎に存在し、地上稈においては高さに関係なく存在した。一節間内においては、上部の節の直下でシリカの密度が高かったが、それ以外の部分ではほぼ同じ密度で存在した。タケノコの段階でのシリカの集積状況も、同様の方法で調べた。シリカはタケノコの段階でもいずれの稈の表皮に存在しており、大きさも成熟した稈表皮のものとほぼ同じであった。このことは、シリカの集積が稈の成長段階の極めて早い時期から起こっていることを示している。比較のためにタケ亜科から5種、イネ科多年生草本数種の試料を得て、同様の方法でそれらの表皮を観察した。その結果、すべての試料でモウソウチクと同様に画鋲状あるいは円錐状のシリカが観察された。そのため、このシリカはイネ科植物の一般的な特徴と推察された。今後は、イネ科植物におけるシリカの集積メカニズムを調べ、あわせてシリカの利用法に関し研究を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)