2004 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄産マンゴーのブランド力強化のための栽培履歴情報システムの普及要件に関する研究
Project/Area Number |
16380153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
廣瀬 牧人 沖縄国際大学, 産業情報学部, 教授 (20279417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名城 敏 沖縄国際大学, 経済学部, 助教授 (70131977)
兪 炳強 沖縄国際大学, 産業情報学部, 教授 (80310069)
安里 肇 沖縄国際大学, 産業情報学部, 教授 (90258682)
松田 友義 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70159151)
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Keywords | 栽培履歴情報 / 沖縄産マンゴー / 食の安全 / ブランド力 / トレーサビリティ / 糖度・酸味 / IT / ユビキタス |
Research Abstract |
沖縄県は国内最大のマンゴー産地であるとともに、国内唯一の亜熱帯地域で収穫されることから、沖縄県の地理的イメージと合致するとともに、完熟状態で出荷されるため食味の評価も極めて高い。しかし、卸売市場の平均単価は、他県産マンゴーの約9割程度であり、沖縄産マンゴーのブランド力は、他県産のものに較べて優位な状態にあるとは言えない。また、沖縄産マンゴーの市場外流通量は約60%に達することから、過去の食品事故にみられるように個別生産者段階での事故が沖縄産マンゴー全体のブランド力を損なってしまうことが強く危惧される。本研究は,他地域産マンゴーとの比較分析や国内外の生産者段階での栽培履歴情報のIT活用型蓄積・開示システムの実態調査に基づく比較研究を行い、沖縄産マンゴーの生産者段階で品質や栽培履歴等の情報蓄積とその開示が行える生産情報システムを運用するための基本要件について検討し提言することを目的としている。 本年度の研究成果は、以下の通りである。 第一に、県内のマンゴーの栽培実態に関する現地調査を宮古・石垣で実施した。その結果見いだされた課題等は次のとおりである。 1.(1)家族経営が主体であること、(2)収穫期のピークが7月中旬から8月中旬に集中すること、(3)すでに優良生産者は顧客を確保していること、等のため、生産者の規模拡大や販路の拡大意欲が旺盛ではない。 2.マンゴー栽培の普及過程における生産者の主導的役割が大きく、ともすれば、行政や関係団体が指導力を十分発揮し得ない。 第二に、栽培履歴情報システムに関わる関連事例の調査として、IT関係の専門家・栽培履歴情報を実運用している生産者や市場関係者等を招聘して研究会を2回(9月、1月)実施した。研究会の概要は次のとおりである。 1.第1回:2004年9月25日開催。研究会講師は越塚登(東京大学)、原耕造(JA全農)。 2.第2回:2005年1月22日開催。研究会講師は片山寿伸(農業生産法人片山りんご有限会社)、中幸雄(横浜丸中青果(株))。 第三に、マンゴーの品質に関する比較分析を目的に、6月〜8月に7回に分けて、マンゴー62個(宮崎産19個、沖縄産43個)の糖度・pH・カリウム濃度・食味の調査をした。その結果、両者の間には統計的な有意差はないことが分かった。
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Research Products
(4 results)