2006 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥地の潅漑農地における不攪乱土壌の塩分動態と下方浸透量の計測技術の開発
Project/Area Number |
16380159
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 光弘 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (90032309)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 定博 鳥取大学, 農学部, 助教授 (30200801)
猪迫 耕二 鳥取大学, 農学部, 助教授 (60243383)
森 也寸志 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (80252899)
取出 伸夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (70212074)
東 直子 九州大学, 大学院・農学研究院, 学術研究員 (80437772)
|
Keywords | 不撹乱土壌採取装置 / フラックスメータ / ウィックライシメータ / 砂丘ラッキョ畑 / 硝酸態窒素 / 採水効率 / 多機能センサー / 下方浸透量 |
Research Abstract |
乾燥地では土壌の塩類化,アルカリ化による灌漑農地の放棄が生じている。再び作物栽培ができる状態に戻すためには,現実的には技術面・経済面で極めて困難である。そこで,土壌劣化を予防するために,灌漑農地の不撹乱土壌における塩分動態を把握すること,除塩のためのリーチングに伴う下方浸透量を正確に計測する技術を開発することが必要である。1.下方浸透量を計測するために,安価なウィックライシメータとフラックスメータの開発を行い,自然状態の不撹乱土壌の塩分動態を把握した。2.誘電率水分計・4極センサーの組み合わせによる測定精度を比較検討し,水分と塩分の同時移動に関する新たな校正手法を提案した。3.開発したTDRセンサーを用いて塩水点滴灌漑による土壌水分量と塩分濃度変化を正確に測定できる方法を提案し,実用的な測定範囲と測定精度について議論し,不撹乱土壌と撹乱土壌における測定の問題点を整理した。4.不撹乱状態で円筒型のモノリスライシメータを用いて,砂丘圃場のラッキョ畑で硝酸態窒素の溶脱特性調査を行い,肥培管理と下方へ流出する化学物質との関係を明らかにした。5.鳥取砂丘畑におけるウィックサンプラーの長期運用試験を継続し,採水量,水収支,土壌水分環境に関する詳細な測定データの蓄積を行い,それらの解析から先行降雨,土壌水分プロファイルの初期状態と降雨強度がウィックサンプラーの採取に与える影響について検討して,過剰採水の原因と対策を明らかにした。6.多機能熱パルスセンサーで土壌水分量と浸透速度を計測し,その適用範囲や限界を明らかにして,開発した自動サクション制御型サンプラーで採取された土壌水の水質をモニターしながら,自動計測・自動制御のセンサーによって栄養塩の溶脱を調査し,圃場の降下浸透に関わる水物質循環を明らかにする技術を構築した。
|
Research Products
(7 results)