2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390059
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 潔 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (10157349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 茂夫 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40124797)
細川 浩 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90359779)
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Keywords | アラキドン酸 / 脳 / プロスタグランジン / ホスホリパーゼA2 / 発熱 / 内皮細胞 / シクロオキシゲナーゼ |
Research Abstract |
背景と目的 発熱に関わる第1段階の酵素ホスホリパーゼA_2(PLA_2)のタイプは不明である。本研究課題ではこれまでにカルシウム非依存性PLA_2(iPLA_2)が発熱に関わっていることを示す実験結果を得た。すなわちiPLA_2阻害剤のBELはラットにおいてリポ多糖類(LPS)による発熱と脳内PGE_2上昇を抑えた。しかし予想外にもBELは脳血管内皮でのCOX-2発現も抑制した。本年度は(1)BELが脳血管内皮に作用してCOX-2誘導を抑えるか、(2)PLA_2の産物であるアラキドン酸(AA)がCOX-2を誘導するかについて検討した。 結果 ラットにLPSあるいは生理食塩水を静脈内投与し、60分後にクモ膜下腔の血管を採取した。この血管をBELあるいはDMSO(BELの溶媒)を含む緩衝液で90分間培養し、COX-2発現量をウェスタンブロットにより検討した。その結果BELはCOX-2発現を有意に抑制した。この結果は脳血管におけるCOX-2発現にiPLA_2に産物であるAAが重要な働きをしていることを示唆する。そこでin vivoにおいてAAが発熱とCOX-2誘導を起こすか検討した。AAをラットの脳室に投与すると即時の体温上昇(第1相)と90分後から始まる体温上昇(第2相)が起こった。COX-2特異的阻害剤は第2相の体温上昇のみを抑制した。またAAの脳室内投与はクモ膜下腔の脳血管内皮にCOX-2を誘導した。以上の結果はAAあるいはその代謝産物がCOX-2誘導と発熱を引き起こすことを意味する。これまでAAは単にPGE_2の原材料であり、COX-2の基質であると考えられてきた。しかし本研究によってAAはシグナル分子としてCOX-2を誘導する、という新しい知見が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Direct pyrogenic input from prostaglandin EP3 receptor-expressing preoptic neurons to the dorsomedial hypothalamus2005
Author(s)
Nakamura, Y., Nakamura, K., Matsumura, K., Kobayashi, S., Kaneko, T., Morrison, SF.
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Journal Title
Eur.J.Neurosci. 22
Pages: 3137-3146
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[Journal Article] TRPM8 protein localization in trigeminal ganglion and taste papillae2005
Author(s)
Abe, J., Hosokawa, H., Okazawa, M., Kandachi, M., Sawada, Y., Yamanaka, K., Matsumura, K., Kobayashi, S.
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Journal Title
Brain Res Mol Brain Res 136
Pages: 91-98