2004 Fiscal Year Annual Research Report
Distraction osteogenesisにおける骨リモデリング機構の解明
Project/Area Number |
16390441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 信二郎 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20284292)
松井 好人 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80335348)
高橋 光彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10372715)
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (20263824)
谷口 寿章 徳島大学, 分子酵素研究センター, 教授 (10257636)
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Keywords | distranction osteogenesis / 骨形成 / 骨形成 / リモデリング / ビスフォスフォネート / 骨形態計測 |
Research Abstract |
distraction osteogenesisとは「結合組織は牽引ストレスに反応して再生する能力がある」ことを利用した独特の骨延長法である。長管骨を骨切りし創外固定器を用いて徐々に牽引すると骨切り部には骨が再生し、牽引を中止すると速やかに骨癒合が完成する。我々はdistraction osteogenesisにおける骨再生機構を解明すべく動物実験を行ってきたが、本研究では延長仮骨の骨吸収に注目し、ビスフォスフォネート大量投与により延長仮骨のリモデリングの抑制を試みた。その結果、延長仮骨の構造は劇的に変化し、早期の骨癒合と強い骨強度がえられた。 <方法>家兎脛骨骨幹部を骨切りしオルソフィックス創外固定器を装着し術後7日目より0.7mm/dayの速度で延長を行った。手術後よりminodronateを高用量(0.4mg/kg/week)または低用量(0.004mg/kg/week)投与し、延長仮骨を毎週X線学的に観察した。また骨形態計測により延長仮骨における骨形成量と骨吸収量を比較し、3点曲げ試験で延長仮骨の強度を直接評価した。 <結果>延長仮骨は中央の(1)fibrous interzoneと、それをはさむ(2)ossification front,さらにその外側に骨吸収を伴う(3)remodeling zoneの3層構造を呈した。minodronate高用量投与群では、延長仮骨のremodeling zoneが消失し、延長停止後コントロール群に比べ早期に骨癒合が完成した。骨形態計測の結果では破骨細胞細胞の数の減少は見られなかったが、破骨細胞細胞の機能が低下していることが示唆された。3点曲げ試験においてはminodronate高用量投与群ではコントロール群に比べて延長仮骨の強度は有意に高かった。非手術側の骨成長を比較するとminodronate高用量投与群では約5%の成長障害がみられた。 <考察>ビスフォスフォネート投与はdistraction osteogenesisにおける骨吸収を抑制し、骨癒合を早めるが成長帯での成長抑制があるため、直ちに臨床応用するには慎重であるべきである。
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Research Products
(9 results)