2004 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌における次世代CA9ペプチドワクチンの開発とテーラーメイド型癌ワクチン療法
Project/Area Number |
16390468
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 基幹 奈良医科大学, 医学部, 講師 (30347562)
平尾 佳彦 奈良医科大学, 医学部, 教授 (00133207)
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
上島 成也 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (60213336)
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Keywords | 腎細胞癌 / CA9 / ペプチドワクチン |
Research Abstract |
我々は腎細胞癌で高頻度に発現している癌関連抗原MN/CA9より、HLA-A24拘束性9merペプチドワクチン3種類(CA9 p219、P288、P323)を開発し、2002年7月より第I相臨床試験を既存の治療に抵抗を示す進行性腎癌患者12名に施行した。 その結果、ワクチン投与による重篤な有害事象を認めず安全と考えられ、臨床的には、幸運にも転移巣の縮小を示した2例のresponderを認め、本ワクチン療法が有効であると思われた。免疫学的にはp219およびp288の2ペプチドに対する特異的CTL誘導を認めるものの、p323に対するCTL誘導は認めなかった。また、ワクチン投与開始からCTL誘導までに3-6ヵ月と少し時間を要することが分かった。これらの結果を鑑み、各ペプチドのMHCクラスI分子に対する親和性を調べたところ、p219、p288は比較的高いもののp323はコンピュータを用いて予想した親和性に反し非常に低いものであった。そこで我々は、既存のペプチドワクチンの9個のアミノ酸のうち2、9番目を改変させた改変型ワクチンやコンピュータで高親和性が予想されるペプチドをさらに10種類作成し調べたところ、2種類のペプチドにおいて非常に高い親和性を示した。次に、癌ワクチンとしての有用性を検討するために、腎細胞癌担癌患者の末梢血より得られた有核細胞を用いて各ペプチドに対するCTLアッセイを行ったところ、これまでに使用してきたオリジナルの3ペプチドワクチンに比較し、高いCTL誘導能を有すると思われた。現在、癌ワクチンとしての有用性についてpre-clinicalな検討をしている。すなわち、テトラマーを用いた患者リンパ球CTL前駆細胞の検出、各ペプチド刺激樹状細胞を用いたペプチド特異的なCTL誘導能とCA9陽性HLA-A24陽性癌細胞に対する殺細胞効果などについて検討中である。
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Research Products
(2 results)