2004 Fiscal Year Annual Research Report
羊水過少および原因不明胎児死亡に関する病態生理の解明
Project/Area Number |
16390476
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早田 憲司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80314433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下屋 浩一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40291950)
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90240845)
福田 裕償 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40324751)
筒井 建紀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294075)
福井 温 大阪大学, 医学部付属病院, 医員(臨床研究)
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Keywords | 羊水過少 / アクアポリン / S100蛋白 / 羊膜 |
Research Abstract |
過期妊娠における羊水過少は、胎児新生児に様々な悪影響を与えるが、羊水過少のメカニズムについては不明な点が多く、本研究では過期妊娠モデルマウスを用いて羊水過少に関与する因子を見いだすことを目的として検討を行った。Prostaglandin F2alphaノックアウトマウス(PGF2R KOマウス)および正常マウスから妊娠各時期における羊水、卵膜、胎盤、胎児および母体血を採取し蛋白およびmRNAを回収し、水移送関与する因子としてアクアポリン(AQP)に注目し、その発現解析を行った。マウスの早産期(day 14)、正期産期(day 18)、過期産期(day 20)におけるまずAQO8蛋白の発現についてWestern blot解析および免疫組織染色を用いて検討したところ、羊膜の基底膜にAQP8蛋白が認められ、その発現は過期産羊膜組織において有意に減弱していた。このことは、AQP8が過期産における羊水減少機構に関与していることを示唆している(現在論文投稿中)。さらにAQOファミリーのひとつであるAQP1蛋白についても同様に検討したところAQP1蛋白は羊膜の羊膜上皮にその局在を認め、AQP1蛋白の発現は過期産において早産期、正期産期に比べてその発現が増強していた。このことはAQP1も過期産における羊水減少に関与していることを示唆している。これらの事実はAQPが羊水過少においてその発生機構および防御機購に関与していることを示している。さらに、ヒト臨床領域における羊水過少とAQPファミリーとの関連について検討をすすめている。一方、S100蛋白は広く神経組織などに分布している蛋白であるが、この蛋白が羊水中に存在し子宮内胎児死亡と関連があることが最近報告された。本研究においても羊水量とS100蛋白との関連について検討し、妊娠中毒症合併において羊膜におけるS100蛋白の発現が増強していることが明らかとなり、病態との関連を解析中である。
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