2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイとプロテオーム解析を用いた蝸牛障害関連遺伝子・蛋白質の解析
Project/Area Number |
16390486
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岨 達也 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60251302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 智佳子 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90376434)
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40334370)
田之倉 優 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (60136786)
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Keywords | ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 老人性難聴 / 蝸牛 / カロリー制限 / DNAチップ |
Research Abstract |
老人性難聴モデルとしてPolg^<D257A/D257A>(D257A)マウス(DNAポリメラーゼガンマ(Polg)のエキソヌクレアーゼ領域(Proof Reading活性領域)に特定の点変異を導入したトランスジェニックマウス)を作成した。D257Aマウスと野生型マウス(Polg^<+/+>)を用いてABR閾値を検討したところ、D257Aマウス9月齢で平均41-52dBSPLと著明に聴力閾値が上昇し、加齢による中等度の難聴が出現することが判明した。組織的には有毛細胞、らせん神経節の変性が高度であり、DMAマイクロアレイによる遺伝子解析では音受容、neuro-transmission、イオン代謝、エネルギー代謝、DNA合成・修復に関する遺伝子群の低下、炎症反応やアポトーシス関連遺伝子群の増加がみられた。 ゲルマニウム過剰摂取によるミトコンドリア障害マウスも作成し、3〜5ヶ月で高度難聴になること、蝸牛では血管条・コルチ器の変性が強いことを確認した。このモデルマウスでもD257Aマウスと同様の遺伝子群の変化が見られた。 老人性難聴モデルマウスであるC57BL/6マウスではカロリー制限による老人性難聴抑制効果を調べ、正常食では加齢により難聴が出現するのに対し、カロリー制限群では少なくと1歳5ヶ月までは完全に難聴出現および組織変性を抑制できた。この2群のDNAマイクロアレイによる遺伝子解析では加齢による遺伝子の変化(音受容、neuro-transmission、イオン代謝、エネルギー代謝などの遺伝子群の低下、炎症反応やアポトーシス関連遺伝子群の増加)がカロリー制限で抑制できることが判明した。 これら3つのマウスについて、重要な遺伝子についてはreal time RT-PCR解析で確認し、また蛋白については免疫染色により確認を行った。 強大音響曝露直後および有毛細胞変性・scarの完成した時期のマウス蝸牛のDNAマイクロアレイ解析では多くの遺伝子群が増減しており、現在どの遺伝子に注目して解析を行うか検討中である。
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[Journal Article] Mitochondrial DNA mutations, oxidative stress and apoptosis in mammalian aging.2005
Author(s)
Kujoth GC, Hiona A, Pugh TD, Someya S, Panzer K, Wohlgemuth S, Hofer T, Seo AY, Sullivan R, Jobling WA, Morrow JD, Van Remmen H, Sedivy JM, Yamasoba T, Tanokura M, Weindruch R, Leeuwenburgh C, Prolla TA.
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Journal Title
Science 309
Pages: 481-484
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