2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能解析による口腔感覚検査を取り入れた咀嚼機能評価システムの確立
Project/Area Number |
16390553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古谷 暢子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10314387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野首 孝祠 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80028753)
池邉 一典 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70273696)
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Keywords | 味覚 / 義歯 / 脳波測定 |
Research Abstract |
高齢者における味覚の満足度に影響を及ぼす因子を知るために、大阪府老人大学講座受講生を対象に対面調査を行った結果、味覚の満足度は、年齢や性別ではなく、硬口蓋を被覆する義歯の装着と関連があることが示された(第15回 日本老年歯科学会にて発表)。 さらにその義歯に対する満足度と味覚の満足度についても関連が認められることから、味覚は味蕾からの味刺激だけではなく、口腔内の違和感や体性感覚の変化といった心理的な味の対比効果による影響も大きいことが考えられる。そこで、厚さと材質の異なる実験用口蓋床(硬口蓋全体を被覆する形態)を用いて全口腔法による味覚検査を行った結果、硬口蓋を被覆することによって味覚の認知閾値は上昇し味がわかりにくくなったが、実験用口蓋床を薄くすることで認知閾値は非装着時に近づいた。しかし、材質の違いによる影響は認められなかった(83^<rd> IADR general sessionにて発表)。 心理的な味の対比効果については、末梢における味覚刺激の問題ではなく、高次脳すなわち大脳皮質味覚野における問題と考えられる。そこで、実験用口蓋床装着時と非装着時において脳波の周波数解析を行っているが,実験用口蓋床時ではα波が少なくなり不快感を覚えていることが示された。さらに今後は、味覚刺激を与えることによって、心理的な味の対比効果についての分析を行っていく予定である。)
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