2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390559
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石川 邦夫 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 教授 (90202952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松家 茂樹 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00108755)
上山 吉哉 山口大学, 医学部, 教授 (00168668)
宮本 洋二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
中川 雅晴 九州大学, 大学院・歯学研究部, 講師 (80172279)
有働 公一 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (60145266)
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Keywords | 生体材料 / 炭酸アパタイト / ナノ材料 / アパタイト / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨伝導性 / 骨置換材 |
Research Abstract |
本研究は成長期の骨端部組成が炭酸基に富む炭酸アパタイトであることに着目し、炭酸アパタイトを組成とする骨置換材創製に関する検討を行うことを目的といたしました。 本年度は昨年度までに調製した成長期の骨端部組成に類似した組成、すなわち、炭酸基に富む炭酸アパタイトが破骨細胞によって吸収されるか否か、また実験動物に調製した骨欠損部に充填した炭酸アパタイト顆粒が骨に置換されるか否かを病理組織学的に検討しました。 5日令家兔から採取した破骨細胞を炭酸アパタイトディスクおよび対照としての水酸アパタイト焼結体ディスク上で培養した。4日間培養後に試料表面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、水酸アパタイト焼結体ディスク表面には破骨細胞性吸収は認められなかった。この知見は水酸アパタイトが生体内で安定であり、吸収されないという臨床知見と一致する。一方、炭酸アパタイトディスク表面には破骨細胞性吸収が認められた。この知見は炭酸アパタイトが破骨細胞と骨芽細胞によるリモデリングを受ける可能性があること示唆している。 次にラット頭蓋骨に骨欠損を形成し、水酸アパタイト焼結体顆粒および炭酸アパタイト顆粒で再建した。移植後24週の段階で水酸アパタイト焼結体顆粒はインプラント時の顆粒の形態のままであったが、炭酸アパタイト顆粒には吸収が認められ、吸収部が骨に置換されている病理所見が認められた。これらの結果から、成長期の骨端部組成である炭酸基に富む炭酸アパタイトは臨床的に有用な骨置換材となる可能性が極めて高いことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)