2006 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実手法を用いた異常分娩および医療技術モデルの教育教材の開発に関する研究
Project/Area Number |
16390640
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
交野 好子 福井県立大学, 大学院看護福祉学研究科, 教授 (20172942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 和博 川崎市立看護短期大学, 教授 (30126817)
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
大川 洋子 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (20194087)
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Keywords | 仮想現実 / 異常分娩 / 医療技術モデル / 三次元空間 / 教育教材 |
Research Abstract |
本研究は平成16年〜17年度で分娩難易度が高い異常分娩モデルと医療技術モデルのソフトウエア化を完了し、Virtual reality教育教材(DVD)を制作した。今年度は開発した教育教材に対する検証作業として質問紙調査法を行った。 調査は、(1)異常分娩モデルと医療技術モデルの母体内現象のイメージのしやすさや理解のしやすさ、ならびに学習の有用性と利便性、(2)インフォームド・コンセントや院内研修など臨床への活用について検証することを目的とした。 1.調査方法 調査対象は医学生・助産学生・看護学生と研修医を含む医師とし、DVDを視聴しながら調査票に回答してもらった。調査内容は、異常分娩モデルと医療技術モデルの計45項目について母体内現象がどの程度イメージできたか、理解しやすかったかについて4段階尺度で回答を得た。また、医師によるインフォームドコンセントや院内研修など臨床における活用効果を評価してもらった。 2.検証結果 回答者は学生149名と研修医を含む医師の44名の計193名であった。また、インフォームドコンセントなど臨床で活用した際の評価は、10名の医師から回答を得た。 開発した教育教材による学習の有用性や利便性は、学生・医師共に概ね高い評価を得た。異常分娩モデルのイメージ化について学生の評価は双胎分娩が最も高く、医師は前置胎盤早期剥離であった。一方、医療技術モデルについて学生は、CGカメラによる実写した帝王切開術が最もイメージしやすいという回答であったが、医師は鉗子分娩であった。次に、各異常分娩モデルと各医療技術モデルについて学生は、ほとんどのモデルに対して母体内現象のイメージが「よくできた」と「できた」をあわせると約7〜8割を占めた。一方、医師は学生に比べ、「よくできた」という回答は希少であり、「できた、少しできた」が約5割であった。つまり、学習の進度や臨床経験による評価に差はあるものの、VR画像による母体内現象がイメージし易くなり、知識獲得に有効な教材であることが明らかとなった。また、医師による評価は臨床経験が少ない鉗子分娩や骨盤位分娩などの医療技術モデル、ならびに三次元で表現したモデルに対して高い評価を得た。このことは、三次元による母体内現象が理解できる教育教材への期待が高いと言える。次に、本教育教材は臨床での患者や家族には説明しやすいという回答を得た。 以上のことから、本教育教材は臨床経験が制限される教育環境において今後の教育・臨床に寄与できる教材であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)