2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける経済のグローバリゼーションとジェンダー構造の変化
Project/Area Number |
16402028
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Research Institution | YAMAGUCHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横田 伸子 山口大学, 経済学部, 教授 (60274148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 真理 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50143524)
沢田 ゆかり 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50313268)
山本 薫子 山口大学, 教育学部, 講師 (70335777)
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Keywords | 経済のグローバリゼーション / ジェンダーの視角 / 労働力の非正規化 / 社会的排除 / 生活保障システム / 就業体制 / インフォーマリティ / 新しい貧困 |
Research Abstract |
1997年のアジア経済危機以降、経済のグローリゼーションが一層加速化し、アジア各地域では労働力の非正規化や、これまでとは様相を異にする「新しい貧困」が急速に拡がり、これらの人々の「社会的排除」が深化した。本研究は、研究対象各地域(日本、韓国、中国、タイ、バングラデシュ、トルコ)における「社会的排除」の実態を、ジェンダーの視角から構造的に明らかにし、比較分析することを目的としている。 本年度は共同研究の最終年に当り、研究対象地域における実態調査を行い、それを一定の共通枠組みにそって分析することとした。したがって、本年度の前半は、昨年までのwelfare-employment regimeに関する議論を基礎に、共通の分析枠組みを定立することを目指した。そのためのワークショップを2005年6月18,19日の2日間にわたって韓国労働研究院で開催し、各地域の実態が報告され、それをどのような切り口で比較分析するかが話し合われた。さらに、6月19日〜24日にソウルで開かれた世界女性学大会(Women's Worlds 2005)で共同研究チームとして一つのセッションを組織し、これまでの研究成果を発表し、世界各地の研究者と討論する機会を得た。 その後、東京とソウルでそれぞれ一回ずつ研究会を開き、各地域における「社会的排除」の実態を分析するために、「生活保障システム」と「就業体制(=employment system)」という分析視角が構築された。その際、各地域における「インフォーマリティ」のあり方にとくに着目することが了解された。 本年度の後半は、ワークショップ及び研究会の議論を踏まえて、設問調査やインタビュー調査を中心に、各地域で実態調査が実施された。さらに、文献研究及び原資料統計分析も併せて行われた。 これらの調査結果を分析・検討した初稿を持ち寄って、2006年2月20日〜22日に山口にて最終ワークショップを行い、比較分析の視点から議論をした。こうして得られた研究成果は、最終成果報告書としてまとめられ公表される。
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Research Products
(6 results)