2005 Fiscal Year Annual Research Report
学生・教師の満足度を高めるためのFD組織化の方法論に関する調査研究
Project/Area Number |
16402040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
夏目 達也 名古屋大学, 高等教育研究センター, 教授 (10281859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 輝政 名城大学, 人間学部, 教授 (90117060)
小湊 卓夫 九州大学, 大学評価室, 助教授 (30372535)
井手 弘人 長崎大学, 大学機能開発センター, 講師 (70324374)
佐藤 浩章 愛媛大学, 大学教育総合センター, 講師 (10346695)
中島 英博 三重大学, 高等教育創造開発センター, 助教授 (20345862)
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Keywords | ファカルティ・ディベロップメント / 大学教育 / 高等教育 / 授業改善 / 研究大学 / アメリカ / オーストラリア / ニュージーランド |
Research Abstract |
本研究では、主要国(アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダ)の研究大学におけるファカルティ・ディベロップメント(以下、FDと略)について、FD組織化に関する実施状況を調査すること、およびその調査結果をもとに日本の大学における今後のFDのあり方について考察した。我が国の研究大学では、研究活動を重視する一方、教育活動については正当に評価されないため、授業改善のためのFDは全体としてはいまだ低調と言わざるを得ない状況にある。これを改善するための示唆を得るために、諸外国の研究大学における取組を調査した。 その結果、以下の知見を得た。(1)調査対象国の研究大学においては、研究活動とともに教育活動が重視される傾向にある。(2)その背景として財政問題、それに規定される国の政策がある。つまり、教育活動が評価対象とされ、その結果に応じて財政配分が行われる。そのため、教員は教育改善のためのFDに積極的に取り組まざるを得ない状況になっている。つまり、教員の自発性のみに待つのではなく、ある程度の強制力が働く仕組みがある。(3)教育活動に対する教員の反応はけっして良好とはいえないが、その中でもFDへの積極的参加を教員に促すための工夫の蓄積がみられる。たとえば、教育活動に対する評価、財政誘導(個人レベル・機関レベル)、優秀教員賞の創設等を行っている。(4)各大学のFD推進に関しては高等教育センターが重要な役割を担っている。機関のニーズだけでなく、教員の個別ニーズにも対応した多様なプログラムを開発・提供することにより、教員の授業改善の取組を促進・支援している。(5)センターの教職員による全国的組織が設置されており、そのネットワークを通じて情報交換や経験交流を行い、FDの活性化に努めている。
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Research Products
(5 results)