2005 Fiscal Year Annual Research Report
持続的地域開発の視点から見た潅漑技術移転事業の学際的研究
Project/Area Number |
16405030
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山路 永司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10143405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 保輿 放送大学, 教養学部, 教授 (10104605)
柳田 辰雄 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00197500)
吉田 恒昭 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20292881)
湊 隆幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70271591)
V. アンブモリ 地球環境戦略研究機関, 関西研究センター, 主任研究員 (70313004)
|
Keywords | 灌漑技術 / 技術移転 / インドネシア / インド / タンザニア / ODA / 灌漑組織 |
Research Abstract |
本研究は、持続的地域開発という観点から灌漑技術移転プ口ジェクトを学際的に研究しようとするものである。そのため、研究の目的としては、(1)わが国灌漑開発プロジェクトの包括的分析および成功事例を対象としたキーファクターの解明、(2)日本のODAによる灌漑開発プロジェクトの事例分析ならびに技術移転手法の整理、(3)多国間援助による灌漑開発プロジェクトの整理・分析、(4)灌漑技術移転事業の評価指標の開発、(5)灌漑技術移転事業のプロセスにおける関係主体の役割分担の原則の明確化、(6)ドナー側の灌漑技術移転プロジェクトにおける計画立案基準の明確化、と設定した。 研究の2年目である本年は、1)日本のODAによる灌漑開発プロジェクトの整理・分析、2)多国間援助による灌漑開発プロジェクトの整理・分析・ヒアリング調査、3)インドネシアにおける灌漑開発プロジェクトの実態調査、4)インド南部における灌漑開発プロジェクトの実態調査、5)タンザニアにおける灌漑開発プロジェクトの実態調査を行った。 各調査地区では、事業の内容、事業の効果、農民の参加状況、水利調整手法、等を把握した。加えて、灌漑事業の評価基準、成功要因(失敗要因)を考察した。インドネシアジャワ島西部では、農法と灌漑開発とを融合させた革新的技術が休息に普及していることが明らかになった。また、タンザニア北部のプロジェクト地区では、国平均よりも遙かに高い反収を実現していること、その効果が周辺地区に着実に伝播・普及していることが明らかになった。インド南部のため池地帯では、近年の水資源不足に対する農民の取り組みが明らかになった。 これらの現地調査より、農民による灌漑組織の果たす役割および、それを誘導・指導する体制の重要性が明らかになった。
|