2006 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染症の進展に対する抗酸化物質の抑制作用の検討-タイ王国におけるコホールト研究-
Project/Area Number |
16406017
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
星野 洪郎 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00107434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 宣明 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70261831)
大上 厚志 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80260107)
藤木 博太 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (60124426)
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Keywords | HIV / 抗酸化剤 / 緑茶 / タイ / コホールト研究 |
Research Abstract |
チェンマイ近郊のHIVに感染孤児の国営施設に登録されている子供の経過観察や治療は、もっぱら学外の国立病院で行われ、主要な検査はチェンマイ大学医学部の共同研究者Chatchawann講師が行ってきた。すなわち、HIV-1感染児の末梢血中のHIV-1のviral loadを定量し、CD4陽性細胞数を決定してきた。同時に末梢血を凍結し、凍結細胞からHIV-1の分離を日本で行った。 一種類の合剤を用いるGPO-VIRが導入され4年経ったのでタイ方式でのエイズ対策がどの程度有効であるか検討した。40名のHIV-1感染児については、GPO-VIRの使用で概ねよくコントロールされており、3分2の症例ではHIV-量は検出限界以下であった。感染児の末梢血リンパ球と各種コレセプターを発現する指示細胞と混合培養し、HIV-1の分離を試みた。CD4とCCR5を発現するN4R5/GFP細胞を用いたときにのみ、2例からウイルスが分離できた。ウイルスが分離できた症例のviral loadは高かったが、高い症例から必ずしもウイルスが分離できなかった。 我々は、HIV-1感染の新しいコレセプターとして、D6,CCR9b,XCR1およびFML1を同定した。これらコレセプターを利用するHIV-1の存在を検討した。D6は、日本人血友病患者由来のsubtype Bのdual-tropic HIV-1、FML1はタイ、ベトナム由来のsubtype AEおよびCのウイルスが効率よく利用した。東南アジアのサンプルでは、新規のコレセプターFML1を利用できるウイルスが多いことが明らかとなった。 バングラデシュの国際下痢症研究所(ICDDRB)の共同研究者NairおよびAzim博士の調査では、薬物乱用者(IDU)のC型肝炎ウイルス(HCV)陽性率は80%であるがHIV-1陽性率は5%以下であった。他の国と比べてIDUのHIV-1陽性率が極端に低かった。HIV-1に民族的抵抗性があるのか、他の国と同じように今後HIV-1の感染がIDU集団から拡大するのか共同研究を予定している。 2007年1月には、群馬大学から8名に教員等が参加し、チェンマイ大学でICDDRBの研究者も招き、HIV-1/AIDSに関するWorkshopを開催し、共同研究について打合せを行った。
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Research Products
(3 results)