2006 Fiscal Year Annual Research Report
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16406025
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 謙 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90226829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶珠山 務 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (20258627)
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Keywords | コホート研究 / 製鉄業 / PAH(多環系芳香族炭化水素) / 複合曝露 / がん死亡リスク |
Research Abstract |
1)中国鞍鋼製鉄所従業員コホートの第2次追跡作業:当初の第1次追跡(1980〜1993年)対象者(147,062名)の再追跡は、1994年以降の同製鉄所分社化により、それまでの個人識別番号が廃止され、従業員管理システムが全面的に刷新されたことで、計画修正を余儀なくされた。第1次追跡との整合性と連続性を維持でき、第2次追跡を確実に遂行することを条件とすると、追跡対象集団はその規模を大幅に縮小したサブコホートとせざるを得ない。当初の研究目標の保持と同製鉄所の現行の体制における実施可能性の双方を最大限満足するような修正計画を引き続き中国側共同研究者と調整中である。 2)第1次調査結果の追加解析等:第1次追跡データにおける男性121,846名と女性25,216名について、15作業関連要因への曝露と死亡の関連を検討したところ、i)男女とも1980〜1993年の鞍山市一般人口を標準人口とした標準化死亡比(SMR)の総死亡やがん死亡他のほぼ全ての死因で有意な低下が見られたこと、ii)曝露無しホワイトカラー群、曝露無しブルーカラー群、曝露有りブルーカラー群の順でSMRの有意な上昇トレンドが見られたこと、iii)曝露無しブルーカラー群を基準とした標準化リスク比(SRR)を算出した結果、複数の因子の曝露群で有意ながん死亡での上昇が見られ、さらにPAH(Polycyclic-Aromatic-Hydrocarbons、多環系芳香族炭化水素)曝露と粉じん曝露の有無で場合分けしたところ、がん死亡に対するこれらの2因子の複合曝露の影響が示唆されたことが、ほぼ男女共通に見られた。現在、男性の結果についてのみ論文で報告し、女性分については論文執筆中である。
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Research Products
(2 results)