2005 Fiscal Year Annual Research Report
IMCT法を用いたtransgenic mouse網膜プリン受容体機能の解明
Project/Area Number |
16500268
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金田 誠 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30214480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 章道 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (00051491)
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Keywords | 網膜 / ATP / プリン受容体 |
Research Abstract |
1)コリン作動性アマクリン細胞に存在するP2X型プリン受容体 コリン作動性アマクリン細胞は光応答の違いからON型とOFF型に分かれる。昨年度の免疫組織化学の結果からOFF型のみにP2X2型プリン受容体が存在することがわかっている。そこで遺伝子改変マウス網膜薄切切片標本を作製し、GFPでラベルしたコリン作動性アマクリン細胞からパッチクランプ法を用いて、ON型、OFF型両方のサブタイプからATP応答を記録し、その大きさを比較検討した。その結果、ATPはOFF型では応答を引き起こすが、ON型ではほとんど応答を引き起こさなかった。またGFP陰性の非コリン作動性アマクリン細胞ではATP応答がまったく生じなかった。次に単離コリン作動性アマクリン細胞標本を作製し、パッチクランプ法を用いてプリン受容体応答のイオン特性や薬理学的特性を検討した。その結果、P2X2型プリン受容体にATP2分子が結合すると受容体が活性化すること、活性化に伴って陽イオン電流が発生し細胞に脱分極を引き起こすことが明らかとなった。また単離細胞標本を用いた電位依存性イオンチャンネルの電気生理学的解析も行った。 2)コリン作動性アマクリン細胞シナプス前膜側に依存するP2X型プリン受容体 マウス網膜薄切切片標本を用いた実験から、ATP受容体はシナプス前膜側にも存在する可能性が示唆された。シナプス前膜側に存在する受容体はON型OFF型いずれにも存在し、ATP投与によってGABA入力を増大させることが明らかとなった。また電気生理学的実験と免疫組織化学的実験結果から、シナプス前膜にはP2X7型が存在すると考えられた。 P2X2型プリン受容体のIMCT法を用いた免疫組織化学的検討結果はJ.Comp.Neurol.(2004)に報告した。コリン作動性アマクリン細胞の電位依存性イオンチャネルの解析結果は現在投稿中である。またP2X型プリン受容体の研究結果についての投稿用原稿を作成中である。
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