2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500274
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 竜一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00322074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 知恵子 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10167330)
小原 恭子 東京大学, 医科学研究所, 講師 (20225478)
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Keywords | 麻疹ウイルス / トランスジェニックマウス / レセプター / ヘパリン硫酸 |
Research Abstract |
麻疹ウイルス(MV)は感染後、急性期に呼吸器症状、発疹、免疫不全症などを誘発し、さらに重篤な中枢神経疾患を引き起こす。麻疹ウイルス感染の病態を再現する感染モデル動物系は霊長類に限られていることから、感染レセプターの一つであるヒトSLAM遺伝子を導入した組換えマウスは病原性発現機序の解明の優れた解析ツールとして期待される。本研究では、SLAM遺伝子導入マウス(Tg)の作出と新規レセプターの探索を目的とした。Tgマウスは本来SLAMが発現するリンパ球で発現が認められたTgマウスは作出することができず、また得られたTgマウスへのMV接種においてもコントロールと比較して症状に相違が認められなかった。一方SLAM発現陰性細胞である293細胞に対してMVの感染率が、soluble heparinの前処理によって著しく低下したこと、heparitinase処理でも抑制されたこと、HS欠損変異株において感染率が低下したこと、ヘパリンビーズへのウイルスの吸着が認められたことから、細胞表面に存在するheparin sulfateがMVおよびCDVの結合に関与している可能性が強く示唆された。一方、SLAM発現陽性細胞への感染は阻害しなかったことから、強力なaffinityを持つSLAMレセプターが存在する場合には影響はないが、SLAM陰性細胞においてはheparin sulfateがウイルスの吸着に関与していると考えられた。
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Research Products
(2 results)