2004 Fiscal Year Annual Research Report
高密度人工組識の試作と移植に関する細胞生物学的研究
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16500301
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安達 栄治郎 北里大学, 大学院・医療系研究科, 教授 (30110430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 時栄 三菱化学, 生命科学研究所, 主任研究員
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Keywords | 閉鎖循環式高密度培養装置 / I型コラーゲン / 真皮モデル / 短時間培養 / コラーゲンマトリックス / 再生医療 |
Research Abstract |
再生医療の場において迅速な代替組織を作製することは重要である。今年度は真皮モデルを短時間で作製することを試みた。 リアクターカラムと培地びんを使用した酸素化装置からなる閉鎖循環式高密度培養装置(ABLE社ラジアルフロー型バイオリアクター BRK-05)を用いて実験を行った。培養液(DMEM+10%FBS+1%Penicillin-Streptmycin)とマウス正常線維芽細胞(5.0×10^7cells)の混合液250ml中にI型コラーゲン(ペプシン抽出処理、酢酸抽出処理)0.25mg/ml、0.5mg/mlを添加した。1型コラーゲン添加後、直ちにリアクターカラムと培地びん間を流速7ml/minで還流し、24時間毎に採取した環流液をI型コラーゲン濃度、マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMPs)活性をそれぞれ解析した。還流開始後12時間、24時間、3日間、6日間、9日間後にリアクターから線維芽細胞を含むコラーゲンゲルを回収し形態的に解析した。培養液中のI型コラーゲン濃度は還流を続けるに従って減少し、培養5日目に一過性のMMP-2、-9の上昇が見られた。光顕観察では、線維芽細胞がコラーゲンマトリックスの中に散在し、12時間経過後では、酢酸抽出I型コラーゲンによるゲル内で細胞の突起が多く観察された。また、走査電顕観察の結果、最短作製時間である12時間培養ゲルでも線維芽細胞がコラーゲン細線維に接着している様子が観察された。 以上の結果より、12時間以内に作製された真皮モデルは組織再生時に障害となるMMPsの発現が低いままであることから、表皮細胞を播種し人工皮膚モデルを作製するに有利に働くと考えられる。本研究費により、開発された高密度培養法は平成17年度2月15日、特許権の出願(出願番号:2005-38261)をした。
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Research Products
(4 results)