2005 Fiscal Year Annual Research Report
高密度人工組識の試作と移植に関する細胞生物学的研究
Project/Area Number |
16500301
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安達 栄治郎 北里大学, 大学院・医療系研究科, 教授 (30110430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宋 時栄 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員 (00399693)
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Keywords | 閉鎖循環式高密度培養装置 / 平滑筋細胞 / マトリゲル / 短時間培養 / I型コラーゲン / 再生医療 |
Research Abstract |
昨年度は閉鎖循環式高密度培養装置(Able社製BRK-05型:一部改良)を用いて6時間以内に高密度人工真皮モデルを作製することに成功した。その結果は第8回日本組織工学会(東京)ならびに第6回汎太平洋結合組織学会(ハワイ)において発表した。今年度は高密度結合組織に平滑筋組織を重層し、動脈壁モデルの作製を試みた。 閉鎖循環式高密度培養装置にI型コラーゲン0.5mg/ml、ヒト線維芽細胞(HFO小2)2X10^7個/250mlの組成を持つ培養液を上記リアクター内に4時間5ml/minの流速にて環流した。引き続き0.1mg/ml Matrigel(基底膜の代替標品)50mlに差し替えて2時間還流を続けた。還流終了直前に大動脈平滑筋(Clontech社AoSMC)4X10^6個をリアクター内に注入して還流を終えた。リアクター内からは厚さ2.4mm直径17.5mmのゲルを回収できた。今回の実施例では還流液に牛胎仔血清を添加していない。 光学顕微鏡観察の結果、線維芽細胞を含むI型コラーゲン細線維層と重合したマトリゲル内に平滑筋細胞を持った層が階層的に作製されていた。走査電子顕微鏡観察では最下層からポリ乳酸ゲル層、I型コラーゲン細線維と線維芽細胞よりなる層、マトリゲルと平滑筋から構成された層を区別することが出来た。 以上の結果より、8時間で動脈壁モデルを作製することが出来た。このように短時間で組織モデルを作製できることから無血清培養液にて重層化高密度培養組織を再構築できる。従ってBSE汚染のない人工組織を短時間で作製できることが示された。この結果は咋年度出願した特許(特願2005-38261)に実施例として追加申請した。
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Research Products
(5 results)