2004 Fiscal Year Annual Research Report
食用植物成分による生活習慣病予防機序の解明とその応用戦略に関する研究
Project/Area Number |
16500515
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
湯浅 勲 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (50094488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 明子 (小島 明子) 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (90295709)
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Keywords | 細胞増殖 / アポトーシス / ガン細胞 / 活性酸素種 / ポリアミン / 細胞周期 / ニンジン抽出物 / 月見草抽出物 |
Research Abstract |
多くの研究者によって報告されている細胞レベルでの研究において用いられている食品成分からの抽出物の濃度は生理的な条件下における血中濃度より少し高濃度であるため、生活習慣病の予防戦略として応用するのは有効濃度を低濃度化するためのシステムの検討が重要である。本研究の目的は次の二つの問題点((1)アロエ、紅茶、月見草およびタイショウガなどの食用植物抽出物のガン細胞に対する作用メカニズムの解明とそれぞれのメカニズムの違いを明確にする。(2)これらの作用メカニズムの違いを考慮し、複数成分の同時摂取などを行うことによってそれぞれの有効成分の濃度を低濃度化するためのシステムや摂取方法を検討する。)について細胞レベルでの研究で明らかにし、その後、実験動物レベルの研究へと進めることである。平成16年度の研究においては、問題点(1)に関して月見草抽出物(EPE)の詳細な抗ガン作用メカニズムを検討し、EPEは細胞内活性酸素種を増加させることによりガン細胞のアポトーシスをおこすが、EPEによる細胞増殖の抑制には活性酸素種は関与しないこと、またEPEによるアポトーシスはポリアミンにより抑制されるが、細胞増殖のEPEによる抑制には影響しないことを明らかにした。また、西洋ニンジンの葉抽出物がガン細胞を細胞周期のG2停止を起こさせることによりアポトーシスを起こすことからアロエ、紅茶、月見草やタイショウガとは異なるメカニズムで抗ガン作用をしめすことを明らかにした。この作用メカニズムの違いは問題点(2)の複数成分の摂取による有効成分の低濃度化の候補成分としてニンジン葉抽出物がなりうるのではと考えられる。今後この点について検討する。
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