2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法による環境中ナノ粒子の健康影響評価に関する研究
Project/Area Number |
16510027
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
石原 陽子 久留米大学, 医学部, 教授 (50203021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 啓実 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授 (90189465)
小久保 博樹 国立遺伝研究所, 助手 (10270480)
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
坂田 律 久留米大学, 医学部, 助手 (60258423)
藤田 裕規 久留米大学, 医学部, 助手 (10330797)
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Keywords | 微小粒子 / 粒子毒性 / リスク評価 / DNAファイル / ナノ粒子 |
Research Abstract |
平成17年度に、環境中ナノ粒子発生源とされるディーゼル排出ガス7ヶ月曝露で、ラット肺の2,944遺伝子のデータマイニングを行ったところ、有効な亢進/抑制が観察された遺伝子指数及び遺伝子発現変動の標準偏差は、粒子除去を行ったガス相曝露群に比較して粒子を含む群で大であった。その際に粒子特異的に誘導される遺伝子は、補体成分、ケモカイン、抗酸化ストレス物質、ACE受容体であった。今回、DNAレベルで誘導が示唆されたケモカイン、抗酸化ストレス物質の発現をRT-PCR法で確認したところ、これらの物質の発現亢進が認められ、現在蛋白レベルで検討中である。またその程度には、粒子の存在の有無が大きな因子であった。 一方、疫学研究ではナノ粒子の心疾患との関連性が指摘されていることから、心臓毒性評価指標の探索を、心組織のDNAプロファイルを用いて解析中である。 ナノ粒子の適切な評価方法を探索するために、ナノサイエンス領域の研究について情報収集や文献検索を行った。その結果、(1)ナノ粒子は心肺のみならず脳、皮膚、骨、腎肝、胎児などへのトランスロケーションがほぼ認められており、成分としては各種金属粒子が、物理的性質ではより微小の粒子が、感受性の高い身体深部に沈着して毒性を発現している可能性、(2)沈着部位での作用については未だ不明確である、(3)評価手法としては、in vitro研究では上記の細胞を用いた主に酸化ストレス系への影響評価、(4)in vivo研究ではトランスロケーション部位での組織学的、生化学的、生理的影響評価手法の必要性が明確となった。
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Research Products
(2 results)