2005 Fiscal Year Annual Research Report
GISを活用した地すべり災害予測とハザードマップ作成手法の研究
Project/Area Number |
16510135
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山岸 宏光 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80313500)
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Keywords | 地すべり / 崩壊 / GIS / ハザードマップ / 7.13豪雨斜面災害 / 10.23中越地震斜面災害 |
Research Abstract |
最近発生した2000年1月戸沢川大崩壊の調査を始め,2004年7.13新潟豪雨や10.23中越地震による地すべり・崩壊についても崩壊調査票などによるデータ収集し解析した。特に2004年の斜面災害は新第三紀-第四紀の堆積岩という同一の地形・地質条件で発生し、トリガーが異なるだけであることから、両者の比較が重要であった。したがって、H17年度では、従来の火山岩地域のデータを参考にして、堆積岩地域の崩壊・地すべり分布図やデータベースをGISシステムに載せて各種レーヤを構築し、地形・地質データとの関連を解析し統計処理を行った。 H17年度の調査では、中越地域北部で発生した7.13新潟豪雨による斜面崩壊は3600箇所に達し、同地域南部で発生した10.23中越地震による地すべり・崩壊は1500箇所に上ることが、明らかになった。また、特に7.13斜面災害については崩壊調査票などにより、急傾斜地では平滑型表層崩壊が、緩傾斜地では深層崩壊が発生する傾向があることがわかった。また、崩壊パターン、崩壊規模(深度、幅、長さ)、堆積規模、地形・地質データを収集した。データの中間解析によると、深度は10m以下で、幅は60m以下、長さは100m以下で、幅と長さの関係は相関があるように見えた。また、10.23中越地震による斜面崩壊は、1)深度の大きい岩盤すべり、2)流動型地すべり、3)表層崩壊に区分された。 また、GIS技術を活用して、これらの二つの同時多発型斜面災害について、発生前後の空中写真や衛星画像の比較により、どのような斜面で発生したかを解明した。その結果、7.13新潟豪雨災害は、地質条件として泥岩部分に多く、また、10.23中越地震による地すべり・崩壊は全体として地層傾斜の緩い斜面で、しかも砂岩地域で発生していることが明らかになった。 これらにより、地すべり災害、とくに突発型斜面災害の予測(ハザードマップ)手法についての一定程度手がかりを得ることができた。
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Research Products
(5 results)