2006 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア大陸山地部におけるヒト・モノ・情報の流動と生業構造変化に関する空間分析
Project/Area Number |
16510188
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
横山 智 熊本大学, 文学部, 助教授 (30363518)
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Keywords | ラオス:中国:タイ / 生業構造変化 / 換金作物 / 焼畑 |
Research Abstract |
東南アジア大陸山地部におけるヒト・モノ・情報の流動の研究に関して、特にラオス山地部住民の生業変化、自然資源管理、そして政策との関係を,ハワイ大学地理学科コロキウム(2007年5月2日、アメリカ合衆国)、国際地理学連合アジア太平洋カンファレンス(2007年7月4日、オーストラリア)、第8回東南アジア地理学会カンファレンス(2007年11月30日、シンガポール)で発表した。 今年度の調査は、ラオス北部山岳部に位置するポンサリー県コア郡フエイペー村と山間盆地部に位置するウドムサイ県ナモー郡マイナータオ村で実施した。フエイペー村では,生業として維持されている焼畑と自然資源利用について、そしてマイナータオ村では、中国向けのスイカとピーマン栽培についてその土地利用を調査した。フエイペー村の事例では、グローバル化の影響で国境を超えたヒト・モノ・情報の流動が活発になっている状態にもかかわらず、大きな変容は見られず、従前と同様に焼畑による陸稲栽培を中心とした生業構造が維持されていることが明らかになった。一方、マイナータオ村の事例では、地理的に中国国境が近いことも影響し、近年、急速に換金作物の栽培が導入されはじめている。特に、中国輸出向けのスイカとピーマンの栽培が、わずか1年で多くの農家に導入されており、土地利用が大きく変化した。この変化には、周辺集落からの影響があったことも明らかになり、中国からの直接的な影響も大きいが、中国とマイナータオ村の間には、情報伝達の面で仲介となる周辺村落の存在が大きいことが明らかになった。 また,ラオスでの現地調査後には、タイ王国チェンマイ市のクイーンシリキット植物園にて,ラオスの植物サンプルの同定について,研究者と協議し,今後も双方の研究協力を維持することを確認した。
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Research Products
(4 results)