2005 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県における入院患者の死とユタのヌジファについての研究
Project/Area Number |
16520024
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
浜崎 盛康 琉球大学, 法文学部, 教授 (30208574)
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Keywords | 死生学 / 生命倫理 / ターミナルケア / スピリチュアルケア / グリーフケア / ホスピスケア / ヌジファ / ユタ |
Research Abstract |
本年度の研究計画に従い、文献研究を引き続き行うとともに、ユタや医師、遺族へのインタビュー調査を行い、主に次のような成果が得られた。 1 スピリチュアルケアは、末期の患者に対してだけではなく、遺族に対しても、グリーフケアとして重要であること、特に地域特性(沖縄ではユタ等に見られる独特な精神世界)を考慮に入れたスピリチュアルケアがなされる必要があることを、次ページ記載の論文(「沖縄におけるグリーフケアとしてのヌジファについて」)において論じた。 2 第2次世界大戦の沖縄戦で家族を亡くし、戦後25年から30年たった頃に、ヌジファを行ったという遺族にインタビューすることができ、遺族にとっては、何年たってもヌジファが必要な場合があることが確認できた。 3 一般の病院で夫を亡くし、ユタと同様のことができる知人にヌジファをしてもらったという遺族(妻)にインタビューすることができた。やはり、遺族はヌジファを行うことによって安堵したということである。同時に、同病院のスタッフの中にヌジファを行うことができる者がいて、そのスタッフによってもヌジファは行われたという興味深い事実も明らかになった。 4 Aホスピスの医師にインタビューできた。同ホスピスでは、実際に年間恐らく1、2例程度はヌジファが行われていること、他の患者の迷惑にならない範囲内であれば、遺族にとって慰めになることであり、特にヌジファを断ることはないということ等を知ることができた。
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Research Products
(1 results)