2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図、fMRI、近赤外分光法を用いた留学生の日本語習得過程の経年的研究
Project/Area Number |
16520315
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大北 葉子 東京医科歯科大学, 留学生センター, 助教授 (10361726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 英介 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50242186)
佐々木 喜則 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (00334558)
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Keywords | 日本語学習 / 非侵襲脳機能計測 / 近赤外分光法 / MEG / fMRI / 初級者 / 音声認識 / 習得速度 |
Research Abstract |
11名の上級学習者を対象に漢字偽漢字非漢字を刺激として用いて視覚提示時の反応速度を測定し、MEG及びfMRIでの刺激提示時間の推定を行った。MEG用の刺激として用いられる漢字偽漢字非漢字を各90字作成し、提示の順番及び提示時間を検討し、本試験時の刺激時間を決めるため予備測定を予定している。fMRIでは音声刺激及び漢字刺激をブロックデザインにするか事象関連(event related)にするか現在検討中である。近赤外分光法では長母音の分別能力と脳活動の関係を調べた。課題は1)モニタ上に映されたひらがな(視覚刺激)とスピカーから再生された音声(聴覚刺激)が一致するかどうかと2)スピカーから再生された音声(聴覚刺激)が長母音か短母音かを判断するものである`刺激語としてはひらがな2字(短母音)と3字(長母音)を用いた。初級学習者9名上級学習者3名で測定した。一次的な分析では1)初級学習者で発音及び聞き取りが苦手な学習者(1名)の脳血流は全く変化がなかった2)初級学習者で習得が速い学習者は左右の側頭前部や前頂頭部に血流量の増加がわずかに見られた、3)上級学習者では左側頭前部で血流量の増加が見られたが、初級者では左側頭前部での増加はあまり見られなかった。初級学習者の習得速度と脳血流の賦活と関係があるということが示唆された。初級学習者では習得が速い学習者の脳は日本語音声に反応して血流量が増加するが、習得が遅い学習者は血流量があまり増加していない可能性がある。上級者では音処理だけではなく意味処理も行われていると思われるので左側頭前部の賦活が見られたのではないだろうか。現在血流量の増加の度合い、反応時間、正答率との関係など近赤外分光法で得られたデータを詳しく分析中である。
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