2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520422
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
渡辺 信一郎 京都府立大学, 文学部, 教授 (10031618)
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Keywords | 楽制 / 雅楽 / 清商楽 / 鼓吹楽 / 燕楽 / 散楽 |
Research Abstract |
本研究は、『魏書』楽志の校訂・訳注作業をつうじて、北朝楽制関係史資料を集積し、『魏書』楽志本文のできるだけ正確な理解にもとづいて、北魏楽制・音楽文化の国制に占める独自の構造を明らかにすることを第一の目標とする。『魏書』楽志の校訂・訳注作成は、漢魏以来の中国伝統の音楽文化・楽制と胡族の音楽文化との相互関係、及びそこから生み出された楽制構造を解明し、つづく隋唐期の政治文化・政治秩序の特質を解明するための基礎作業となる。 研究の第三年度である本年は、第一に『魏書』楽志の解読のための基礎作業を終え、百衲本(宋蜀大字本)『魏書』楽志を底本に用いて作成した作業用定本をテキストに、『礼記』楽記、『周礼』大司楽などの経書、『漢書』礼楽志、『宋書』楽志などの正史のなかから関連史資料を抜き出し、本文読解・注釈のための関連史資料長編を作成しつつ、研究協力者とともに訓読・翻訳作業を進めている。 第二に集めた諸史料を整理し、隋文帝の楽制改革の全貌について考察を行ない、昨年の「隋文帝の楽制改革-鼓吹楽の再編を中心に」(『唐代史研究』第8号)にひきつづき、散楽の再編について『史学研究』誌上に「隋の楽制と帝国構造-散楽と正月十五日の民間習俗」と題する論考を発表した。現在、来年度の報告書作成に向け、雅楽・燕楽の改革・再編について論考をまとめつつある。
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Research Products
(1 results)