2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520427
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石濱 裕美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教授 (30221758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 洋一 大谷大学, 文学部, 教授 (00181280)
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Keywords | ツォンカパ / ケドゥプジェ / 信仰入門 |
Research Abstract |
本研究の目的は、チベット仏教の大成者ツォンカパ(1357-1419)の生涯とその思想の形成過程を、最古層の伝記四つに基づき明らかにすることであった。研究の経過を具体的に述べると、はじめに、一番大部の『信仰入門』(T.No.5259)を滞在地・エピソード・時間ごとにきりわけて、細密な行動表をつくり、その滞在地や関係した人物についての関連情報を注記した。次に、残る『自伝略説』(T.5275-58)、『秘密の伝記』(No.5261)『ツォンカパ伝補遺』(T.No.5260)三伝の和訳ならびに注解を行った。これらの作業を通じて『ツォンカパ伝補遺』は『信仰入門』と『秘密の伝記』を引用していること、また、『信仰入門』と『秘密の伝記』にはツォンカパより伝記執筆の許可を受けて記されていること、また、とくに『信仰入門』は晩年に一度人生の評価が行われ、そのあと文体がかわって死の床の話が付け加わっていることなどから、『信仰入門』と『秘密の伝記』の主要な部分は少なくとも主要な部分はツォンカパの在世中に記され、死後晩年の様子が付け加えられたことが推測された。これらの作業のあと、ツォンカパの295に及ぶ著作より、コロフォンをすべて抽出して分析し、そこから読み取れる執筆地の情報を、前述した『信仰入門』に基づくツォンカパの行動表と照らし合わせ、情報のあるものについては、ツォンカパの生涯のどの時点で著されたのかを確定した。その結果、多くの著作、とくに密教の著作は、中年の頃滞在していた聖地ウルカと、晩年の根拠地であるガンデン寺において著されていたことが明らかとなった。つまり、本研究により、チベット仏教の大成者、ツォンカパの生涯とその思想のなりたちの過程が明らかになったといえよう。
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Research Products
(4 results)