2004 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの大都市における人口高齢化に伴う都市経済構造の変容
Project/Area Number |
16520486
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高山 正樹 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (00226937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 茂治 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (10135288)
XU Weidong 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10263344)
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Keywords | アジアの大都市 / 人口高齢化 / 都市経済構造 / 都市化 / 産業構造変化 / 高齢者施策 |
Research Abstract |
本年度はアジアの大都市の人口高齢化に関する既往の文献資料と統計資料などの資料収集とその分析を行った。また、同時にアジアの大都市(シンガポール、マニラ、香港、上海)の研究者との意見交換と現地調査への協力をお願いした。 その結果、各都市の特徴からすべての都市に共通の資料が得られない部分もあるが、かなりの基礎的データを収集した。また、現地研究者との意見交換から高齢者の生活実態なども知ることが出来た。さらに、本研究のねらいの一つでもあるが、都市化の中で家族の絆の崩壊に伴い高齢者の扶養の問題が生起していることが明らかになった。加えて、健康な高齢者も産業構造の変化の中で、新しい技術の導入などに伴って、高齢者の雇用の場への適応が困難であることや、また、退職や離職後の再雇用が困難となっている状況を知ることができた。 目下、次年度に研究のまとめをするに当たっての研究の視角の精緻化と、今後の調査やわれわれの役割分担などの確認とともに、統計資料の整理、利用方法を検討しているところである。また、収集した資料を分析して早い段階で学会発表などを通して研究成果の一部を公開することを予定している。 以上のような過程で気づいたことは、アジアの大都市の人口高齢化が予想以上に速いスピードで進んでいることである。その一方で高齢者施策の立ち遅れも無視できず、今後、アジア大都市の活力を維持する上でも、高齢者施策がますます重要な課題となっていることである。
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