2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国における家庭内紛争の処理手続に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16530004
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
國谷 知史 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 教授 (90234468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南方 暁 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 教授 (70125805)
岡 綾子 新潟大学, 法学部, 助手 (50203956)
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Keywords | 中国家庭内紛争 / 中国紛争処理 / 中国婚姻法 / 中国婚姻登記 / 中国夫婦財産 / 中国用益物権 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
本年度は、共同研究を開始するにあたり、中国における家庭内紛争処理の組織・手続の基本的な枠組みと内容を理論的、実証的に把握するためには、調査の範囲をどの程度まで拡げ、どのようなアプローチが効果的であるか、を検討することに費やされた。 (1)國谷・南方・岡は、5月初旬に北京大学法学院へ行き、海外共同研究者である藩剣鋒教授および馬憶南助教授と打合せをおこない、研究計画と方法を綿密に検討し、課題設定と調査方法・分析方法等に関してレビューを受けた外、他の北京大学法学院教員からも情報を収集した。また、上海へ行って、当地の弁護士と面談し、情報収集をおこなった。 (2)その結果、対象としている「家庭」が制度的に流動的であることが確認される一方、紛争の目的となるものが漸く法制度として樹立されつつあることが分かった。たとえば、2001年改正婚姻法は事実婚を認める方向へ一歩踏み出しており、家庭内紛争という場合の「家庭」の範囲を法的にどのように限定するのかが問題となること、夫婦財産制度についてその前提となる物権法の起草作業が最終局面にあり、家庭内の財産紛争の対象となる所有権や用益物権(農村土地請負権、居住権等々)が議論されていること、などである。 (3)したがって、中国の家庭内紛争解決・処理の組織・手続に関する文献資料の調査と収集については、幅広くおこなうこととした。國谷は財産関係について、岡は婚姻関係と計画出産関係について、資料を調査中であり、その一部を翻訳公表した。 (4)一方、分析視角・評価基準を仮設するための、日本における家庭内紛争の実態等については、南方が調査中であるが、國谷も新潟家庭裁判所7の統計や状況に関する調査をおこなった。
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Research Products
(2 results)