2005 Fiscal Year Annual Research Report
労働市場政計におけるライフコース・パースペクティブに関する日蘭比較研究
Project/Area Number |
16530355
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
前田 信彦 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20222284)
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Keywords | 積極的労働市場政策 / ライフコース / オランダ / EU / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は、(1)日本の労働市場政策および日本人の働き方をライフコースの視点から分析し、日本側の特徴を把握しつつ、(2)これを比較対象としながらオランダの労働市場におけるライフコース政策の動向を明らかにする、という計画に基づいている。これに従って、2005年度は、2004年度の作業をベースに、主に二つの作業を行なった。 第一は、日本および欧州全体に関する文献の収集および知見の整理である。昨年度からのオランダの労働政策の調査の進展に伴い、本研究のキーワードである積極的労働市場政策(active labour market policy)が、EUの政策展開に応じて欧州の主要国でも具体的に展開されていることが分かってきた。そのためオランダ以外にも着目することが研究上有益であると考え、2003年度に筆者が行なったベルギーおよびイギリスで現地調査したデータを再検討し、さらにスウェーデンの最新のデータを整理し、それを本研究の目的に対応した形で取りまとめを行なった。これは学術論文に発表された。さらに、オランダについては昨年度に引き続きライフコース政策に関する資料を入手し、また高齢者の就業と引退に関する新たな制度改革に関する文献を入手し、動向を把握した。 第二は、昨年に引き続き、日本の労働生活とライフコースに関してミクロなデータの分析を行なった。データはシニアプラン開発機構によって実施されたサラリーマンの生活スタイルに関する調査(16700名)を用いた。この中で、中年期から高齢期にかけての人生の移行期に関する分析結果をまとめた。これは学術論文に発表された。また、これらの邦語論文を一部英語に翻訳し、欧州の研究者との情報交換が可能な論文の作成の準備を行なった。 以上の二つの作業により、日本の労働市場および高齢者を中心とした労働生活の傾向をつかむとともに、オランダのみならず、ベルギー・イギリス・スウェーデン等、欧州の労働市場政策の動向についてとりまとめた。
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Research Products
(4 results)