2005 Fiscal Year Annual Research Report
算数科における学力向上を目指す習熟度別指導に関する実証的研究
Project/Area Number |
16530571
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石田 淳一 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (70144186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 吉彦 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60000072)
池田 敏和 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70212777)
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Keywords | 算数科 / 習熟度別指導 / 考える足場をつくる算数授業 |
Research Abstract |
平成17年度は、16年度選定した研究協力校のうち、青森県八戸市長者小学校、京都市桃山東小学校において算数授業研究会を実施し、「考える足場」をつくる算数授業をベースに習熟度別指導に授業実践研究を行った。 長者小学校で平成16年度3月に実施した1年生から6年生までの共通指導単元に関する学力調査の分析を行い、3年生以上の学年で習熟度別指導を実施していない小学校との差が大きくなることが見出された。これは知識・理解、表現・処理、数学的な考え方の3観点で見られた。また長者小学校の中で、上位、中位、下位の学力3群間では、数学的な考え方で3群間に差が見られた。平成17年度末に長者小学校で継続調査を実施するために調査問題の修正を一部行い、調査を実施した。 「考える足場」のタイプも6つのタイプが授業実践から見出された。それは(1)既習事項のアイデアを振り返る、(2)既習問題を解く、(3)ある解法のよさや改善点を吟味する、(4)新しいアイデア・方法を見出す、(5)状況からわかることを記述する、(6)問題を表現する図や表などの手立てを学ぶ である。これらの足場は習熟度別コースによっても異なる。また「考える足場」理論では授業で扱う適用・発展問題も習熟度別コースによって異なるが、下位コースでも発展的問題を与える。この考え方で実践した結果、中位・上位のコースも適用問題は解決でき、さらに発展問題も解決できた。下位コースでも半数が発展問題を解決することができた。
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Research Products
(4 results)