2006 Fiscal Year Annual Research Report
国語科における機能的アプローチによる文法教育の再構築に関する実証的開発研究
Project/Area Number |
16530611
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Research Institution | Sapporp International Junior College |
Principal Investigator |
山室 和也 札幌国際大学短期大学部, 助教授 (40240080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 徹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40152087)
馬場 俊臣 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 助教授 (70218668)
中村 敦雄 群馬大学, 教育学部, 助教授 (60323325)
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Keywords | 機能文法 / メタ言語能力 / 自己モニター / 接続語・接続成分 / 文法用語 |
Research Abstract |
今回の研究で、文法教育がこれから何を目指していけばよいかという指針を具体的にした。それは、文法教育が読解・表現の活動に結びつくためにどうあればよいかということを、発達段階も配慮しながら、機能的な取り扱いを系統化していくことである。その背後で、生徒がこれまで無自覚に身につけてきたことばについての言語意識、文法意識といったものを自覚化して、その法則に気付くことで日常的な言語生活の様々な場面においてもそのことが転移可能になるようなメタ認知能力としての文法知識、文法能力を身につけられるような働きかけをしていくことが欠かせない。特に、読解・表現という活動と結びつけてその学習内容を検討していくと、文節、連文節という系統と、文の成分という系統の二元論を解消させることがまず課題となってくる。そして、品詞としての接続詞と、文の成分としての接続語との混同の問題、文と文とをつなぐものとしての指示語を含めた接続する語句との関連などの問題が明らかにしなければならない。 これらの問題点は、実践研究からも浮き彫りにされることとなった。学習時間の削減などによる、さまざまな制約の中で、文法をどのように扱うかは実に難しい課題である。文節・連文節と文の成分という二元論を気にしつつも、双方をいかに扱うかで現場は腐心していることが浮き彫りにされた。その結果、接続語を文の成分と認定するか否かの質問にも、明確に「必要」と答えられる場合には、読解や表現との結びつきを意識しながら実践できるが、「わからない」という答えにせざるを得なかった3割の場合の事情は極めて複雑である。生徒達の興味・関心とうまく結びつけながら、読み解く過程や、表現する過程をより自覚的にとらえられるようにしていく必要がある。
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Research Products
(8 results)