2004 Fiscal Year Annual Research Report
特性曲線有限要素法の数値解析的および計算幾何的研究
Project/Area Number |
16540093
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
藤間 昌一 茨城大学, 理学部, 助教授 (00209082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海津 聰 茨城大学, 教育学部, 教授 (80017409)
笹本 明 独立行政法人, 産業技術総合研究所・先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (90357129)
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Keywords | 特性曲線 / 有限要素法 / 数値解析 / 数値積分 / 点位置決定問題 / 台形地図 / 密度依存粘性流 / スリップメッシュ法 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は以下の通りである。 1.数値解析的課題(数値積分誤差が計算を不安定化させ得る)に対して:移流拡散方程式の場合について、数値積分の精度がPeclet数に応じた2つの条件を満たし、Δt=O(√h)のときの、安定性を解析した(hは空間の要素分割の最大辺長)。空間1次要素(誤差がO(h))と時間2次精度スキーム(同O(Δtの2乗))の組み合わせならば、積分誤差を考慮しても安定であり、最適収束性を得る。実用には、現象や離散度に応じて数値積分則の妥当性をリアルタイムに知る必要がある。そのための指標値を提案した。台形則や中点則での数値実験で観察し、指標値の有効性を確かめた。九州大田端正久教授の研究協力を得た。 2.計算幾何的課題(積分標本点に対応する風上点の点位置決定問題)に対して:流速1のとき積分標本点と対応する風上点を結ぶ線分の長さはΔt/hであり、Δt=O(√h)ならば、線分はO(√n)個の要素を通過する(nはhの逆数とする)。風上点探索の算法には、標本点を含む要素から逐次的に風上方向へ隣接要素をたどる算法(計算量O(√n))よりも、領域全体に対して用意する探索構造を用いる算法(同O(log n))が有利と分析された。文献調査により、台形地図(領域分割に現れる辺に垂直辺群を加えて台形分割化し、2分木の探索構造を構成)の方法を見出し、試験的な探索構造生成プログラム開発、及び、退化状況での記号摂動の数値実験を行った。 3.関連して分担者海津は、密度依存粘性流の数値解析に有効な高次要素スキームを、凸集合上の射影を組み込むことにより構成し、誤差評価式を得た。また分担者笹本は、軸受け解析(構造+流体の連成問題)のための有限要素法のスリップメッシュ法の開発を行ない、スリップメッシュ回転部のプログラム作成と試験的計算を実施した。更に、Sinc法を利用した流体の高精度解析手法について探求した。
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Research Products
(4 results)