2005 Fiscal Year Annual Research Report
強従属確率変数列に対するU-,V-統計量の極限定理について
Project/Area Number |
16540124
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
金川 秀也 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (50185899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前園 宣彦 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (30173701)
税所 康正 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70195973)
井上 浩一 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (50232533)
古田 公司 武蔵工業大学, 工学部, 講師 (80257104)
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Keywords | 対称統計量 / ノンパラメトリック統計量 / U-統計量 / V-統計量 / フラクショナルブラウン運動 / 多重ウィナー積分 / 強従属性 / 数理ファイナンス |
Research Abstract |
U-統計量、V-統計量はクラメール・フォン ミーゼス統計量など多くの重要なノンパラメトリック統計量を含む対称統計量である.独立性、あるいはマルコフ性や混合性のような弱従属性を持つ確率変数列に対するU-、V-統計量の漸近的な性質は従来より詳細に調べられてきたが、強従属性(標本の列が長い期間にわたって互いに影響を及ぼす性質)を持つ場合はほとんど手を付けられていなかった. 確率変数列が強従属性を持つ場合に、申請者が1994年度(Stoch.Proc.Appl.,Vol.49)に提案したある種のヒルベルト空間に値を取る確率変数列の単純和で表現する方法を用いて、フラクショナルブラウン運動から導かれる極限分布への収束等の各種の漸近的性質について研究した. 独立な確率変数列によるU-統計量から得られた確率過程が多重ウィナー積分へ収束することが知られているが、この結果を強従属の場合に拡張し、フラクショナルブラウン運動による多重ウィナー積分に収束することを示した.またU-統計量は多重ウィナー積分を近似する統計量であるので、フラクショナルブラウン運動による多重ウィナー積分への収束定理とその精密化の観点からの応用について研究する.特に、近年数理ファイナンスでフラクショナルブラウン運動によるウィナー積分が注目されているが、この方面への応用についても期待される. さらに同様の方法によってスチューデント化されたU-、V-統計量やブートストラップ法によって抽出された標本の場合も調べ、強従属性の数値解析法について十分検討しながら、以上の結果について計算機シュミレーションを行い、数理ファイナンスなどへの応用について調べた. またU-統計量を用いて構成された確率変数列の分布の変化点の推定量について研究し、変化点の推定量の漸近的な性質を調べた。
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Research Products
(4 results)