2006 Fiscal Year Annual Research Report
遅れを持つ非自励的微分方程式におけるバーコフ理論の展開
Project/Area Number |
16540139
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 尚志 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (40125901)
石村 隆一 千葉大学, 理学部, 教授 (10127970)
岡田 靖則 千葉大学, 理学部, 助教授 (60224028)
内藤 敏機 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (60004446)
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
|
Keywords | 遅れ型微分方程式 / 非自例的 / 一様漸近安定 / 全安定 / 力学系 |
Research Abstract |
無限次元における遅れを持つ非自励的微分方程式の解を古典的な力学系の土壌に乗せるために、いろいろな考え方が存在している。それらに共通することは解とシステムの直積を考え、ともにパラメータにより同じだけ平行移動するものである。このとき解の移動は移動したときの値で計られる。この考えでは解の初期値に関する一意性が必要となる。従って従来の結果はすべてこの一意性のもとで議論が展開されている。 前年度の研究において解の一意性を考慮しないで力学系の性質を持つようなものの構築を考えることができた。それは解の移動を移動した時の値としてとらえることではなく、解全体をある関数空間の点としてとらえ、その移動は解全体のシフトとして取り扱うことである。この時この間数空間は十分に意味を持つ物でなければならない。またシステムの直積を考えたときにこのパラメータによる移動は元のシステムの解として意味を持つ物でなくてはならない。そのために解およびシステム共に弱一様位相を導入して解決することができた。 今年度の論文として公表予定のものはまだまだ力学系一般論に及ぶのは困難で、バナッハ空間上の関数微分方程式とボルテラ差分方程式に対し、相空間における定数変化法の公式を応用して、滑らかな不変多様体の存在を確立し、リプシッツ連続な不変多様体の存在についての既存の結果を拡張した。また非負の可積分核をもつ線形積分方程式に対し、レゾルベントの可積分性を、検証が容易ないくつかの条件によって特徴づけた。
|