2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540205
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
楢崎 隆 東海大学, 理学部, 教授 (70119692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 豊博 東海大学, 理学部, 教授 (00112772)
伊藤 達夫 東海大学, 理学部, 教授 (20151516)
田中 實 東海大学, 理学部, 教授 (10112773)
山口 勝 東海大学, 理学部, 教授 (10056252)
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Keywords | L^p-L^q estimates / damped wave equation / 漸近挙動 |
Research Abstract |
本年度は以下の結果を得た。 1.消散項を有する波動方程式の漸近挙動 消散項を有する線形波動方程式について考察した。上記方程式に関する初期値問題の解と対応する熱方程式に関する初期値問題の解の差についてL^p-L^q型評価の解析を行った。n個の空間変数x_1,…,X_nの内d個の変数に関して初期値が奇関数である場合には、一般の初期値の場合に比して、L^p-L^q型評価が(1+t)^<d/2>だけ改善されることが示された。消散項を有する波動方程式の解についてL^p-L^q型評価を適用し、奇関数を初期値とする解について従来の結果よりも改善された減衰オーダーが得られた。また、熱核の微分と類似する初期値問題を考察することにより、ここで得られた減衰オーダーが最適な結果であると判断される。上記性質は、消散項を有する線形波動方程式熱方程式の有する散逸構造をより明らかにしたものである。 2.回転トーラス面上の最小跡 ユークリッド空間内の標準的回転トーラス面の各点における最小跡の構造を決めることができた。しかも、それらを含むある回転面の族に対しても、同じく最小跡の構造を決定できた。子午線に沿って外赤道から内赤道までガウス曲率が単調で、回転軸に関して対称的な回転面であれば、全ての点における最小跡を決定した。 3.重くてしなやかな弦を吊り下げた場合の弦の振動 非線形の時間に関して周期的な外力項と線形の減衰項を有する振動弦の方程式の強制振動を考察し、強制項と同じ周期を持つ時間周期解の存在を示した。この方程式は主要部が退化しており、解の特異性が生じる可能性がある。この点が通常の波動方程式やクライン・ゴルドン方程式とは異なる。方程式に適した関数空間(重みをもつソボレフ型空間及びL^p空間)上で問題を考察し、従来の解析手法を当該問題に即して改良した。シャウダーの不動点定理を応用することにより,周期解の存在が示された。主要部の非退化点においては、解の正則性についても結果が得られている。
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Research Products
(6 results)