2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540283
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
泉川 卓司 新潟大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (60282985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南園 忠則 福井工業大学, 環境生命未来工学科, 教授 (20028210)
大矢 進 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90092676)
松多 健策 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50181722)
大坪 隆 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (70262425)
後藤 淳 新潟大学, アイソトープ総合センター, 助手 (90370395)
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Keywords | 半導体 / 格子欠陥 / 原子ジャンプ / NMR / 不安定核 |
Research Abstract |
本年度は本研究課題における主実験である半導体ゲルマニウム中のホウ素不純物のベータNMR測定を行った。その結果、Larmor周波数近辺に鋭い共鳴と数十kHzに広がった共鳴およびvqSplit=190kHzにピークを持つ四重極分裂した共鳴の3種があることが分かった。これらの格子位置の対称性等の測定は今後の課題であるが、ゲルマニウムにおいてもシリコンと同様に3種類の共鳴線が存在し、それぞれ置換位置(Bs)、多結晶パターンを持つ位置(Bx)、<111>対称性を持つ位置(Bns)に相当すると推察される。それぞれのサイトの占有率の温度依存性の測定も行い、Bnsの占有率は低温(T<250K)で約30%程度であるが、T~300Kで共鳴が観測されなくなることが分かった。これもシリコンと同様に、原子のジャンプによって偏極の緩和が起きているものと考えられる。一方、Bs+Bxの振る舞いはシリコンの場合と大きく異なる興味深いものであった。シリコンの場合は、温度の上昇に伴い占有率も単調増加するものであったが、ゲルマニウムの場合は室温付近で占有率が一時的に低下しディップを形成することが分かった。この原因はインプラントにより生成された空孔の移動度が温度の上昇ともに増大し、空孔とBsまたはBxと相互作用する確率が高くなり、ホウ素の核偏極を破壊するためであると思われる。 また、化合物半導体に対しても実験的研究を行い、ZnOにインプラントされた窒素不純物の受ける電気四重極相互作用の結合定数の決定や、TiO2中の窒素不純物が結晶中で熱活性的なジャンプを行っていることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)