2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規な光誘起電子移動を制御した機能性化学センサーの開発
Project/Area Number |
16550065
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
諸角 達也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50271713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 博 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (00117194)
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Keywords | 光誘起電子移動 / ねじれ型分子内電子移動 / 蛍光発色団 / 直鎖状クラウンエーテル / 化学センサー / 蛍光off-onシグナル / アントラセン芳香族アミド体 / ナフチル酢酸アニリド |
Research Abstract |
当研究室では、アントラセン芳香族アミド体が溶液中において"ねじれ型分子内電子移動"(以下TICTと略)消光を示すことを見出した。このTICTは光誘起電子移動の際に分子回転を伴うので分子複合体形成により制御することが可能である。本研究では、このTICT挙動を制御することにより新規な光機能性化学センサーの開発することを目的とした。TICT消光を立体的に制御する新たな方法として、ポリエーテル鎖の片側にプロピル基を導入したセンサーを合成し、検討したところ2-アントラセンとの組み合わせにおいて著しい蛍光増加を示した。この骨格において2-体は9-体よりもプロピル基の接近による回転の抑制を受けやすいことが判明した。さらに立体的に制御するばかりではなく電子供与体として機能するナフタレン部位を有する化学センサーも合成し、機能評価を行った.特に1-ナフチルアセチル基および2-アントラセンの組み合わせにおいて著しい蛍光発光が観察された。この結果からナフタレンからアントラセンへ効率的なエネルギー移動が生じ、ナフタレン環の立体障害によりTICT挙動が抑制されていることがわかった。これらの知見をさらに発展させるため、他の蛍光発色団について詳細に検討したところ、ナフチル酢酸アニリド誘導体もTICTに類似した消光挙動を示すことが明らかになった。同様にポリエーテル鎖の両側にナフチル酢酸アニリドを導入したセンサーを合成し、検討したところアルカリ土類金属イオン不在下では、ナフタレン由来の蛍光は、TICTより弱い蛍光を発するのみであったが、金属イオンとの錯形成後では、非常に強い蛍光発光を示した。このようにナフチル酢酸アニリドのTICT挙動を制御することにより蛍光off-onシグナルの発現に成功した。
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Research Products
(1 results)