2004 Fiscal Year Annual Research Report
球状定容容器を用いた可燃混合気体の発火と燃焼制御に関する研究
Project/Area Number |
16560191
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
小野 信輔 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (80037738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 義則 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (40253504)
泉 政明 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (50336939)
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Keywords | 熱発生率 / サイクルシミュレーション / 球状燃焼容器 / 多領域モデル / 多点発火 / ジメチルエーテル |
Research Abstract |
16年度研究では、試作燃焼容器を用いた熱発生率比較試験と、熱発生率形状の変化によるエンジン排ガス特性に及ぼす影響についてのサイクルシミュレーターの開発整備を行った。 直径200mmの球状燃焼容器と、可変容積型外部混合容器の組み合わせによって各種初期状態を変化できる予混合気燃焼容器を用いた。燃焼容器には、点火位置を6箇所まで設定できるようになっており、位置と点火時期の組み合わせによっていろいろな火炎発生過程を実現できる。点火時期位相の変更は、新たに開発した時間制御高電圧放電回路によって制御し、ある程度、熱発生過程を変更することができた。この装置を用いてDME(ジメチルエーテル)並びにメタンの混合気について火炎伝播過程の異なる二種類の燃焼過程について比較検討した。 DMEは炭化水素系燃料に比べ燃焼速度が速く、発火誘導期間も短いので、成層燃焼を行わせる場合の制御性がよいと考えられる。また、希薄燃焼限界についても明らかにした。本装置は、DME等のガス状燃料の燃焼特性を調査することを目的としているので、直ちにディーゼル燃焼などの成層燃焼特性と結びつくものではないが、燃焼の速さ、到達燃焼温度などサイクルシミュレーションの為の情報を得ることができる。熱発生過程の変更によるエンジンサイクル性能予測のため、燃焼した領域が次々と新しい燃焼領域を作り出すという多領域燃焼過程を仮定し、次々と作られる既燃焼領域の状態変化による排ガス特性の変化を求めるサイクルシミュレーターを構築整備した。定容容器による燃焼特性試験とサイクルシミュレーションより、最大熱発生率が前高となる熱発生はサイクル性能をあまり損なうことなく排ガス特性を改善できることが分かり、熱発生過程の制御によるエンジン性能並びに排ガス特性の最適化の方向性が明らかになった。
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Research Products
(2 results)