2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳科学研究のための超高感度電子スピン共鳴分光装置の開発
Project/Area Number |
16560359
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
平田 拓 山形大学, 工学部, 助教授 (60250958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 博匡 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (70209013)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / 脳科学 / 磁気共鳴 / 生体計測 / 分光 |
Research Abstract |
マウス頭部を計測することを目的とした650MHz連続波電子スピン共鳴分光装置の開発を行った。二種類のマイクロ波共振器のテストを行った。一つは、マウスの頭部を挿入できる方向に設置したサーフェースコイル共振器、もう一つは、ループ・ギャップ共振器である。サーフェースコイルのサイズは、マウスの頭部を挿入するために内径16ミリの寸法とした。ループ・ギャップ共振器は、内径18ミリとした。 保有するヘルムホルツ型電磁石に、共振器及び磁場勾配コイル(3軸方向)、スキャンコイル、変調コイルを取り付け、目的とする実験が行えるように装置の改造を行った。また、データ取り込みソフト及び画像再構成プログラムの手直しを行い、試験管を用いたサンプルで装置のテストを行った。 画像再構成において、低域通過フィルタの遮断周波数を決定する問題を解決した。点広がり関数の実効幅と、共振器周辺部の雑音レベルの積を評価関するとすることにより、評価関数が最小となる遮断周波数を自動的に決定する手法を開発した。解像度と雑音の抑制は相反する要求であり、評価関数を与えることによりトレードオフの関係にある要求を定量的に取り扱い、よい妥協点を与えることを実証した。本発明は特許出願(特願2005-038973)すると共に、英文論文として投稿した(近いうちに受理される見通しである)。 基本的な実験装置が準備できたので、マウスによる試験を実施した。TAMラジカルをマウス腹腔内へ投与し、血液循環により頭部に到達したラジカルを検出する実験を行った。その結果、十分な感度で電子スピン共鳴信号を検出できることを確認した。また、体内での代謝によるおよその信号の減衰時間を確認した。その結果、電子スピン共鳴イメージングを行うのに十分な時間を確保できることが確認されたので、マウス頭部の電子スピン共鳴イメージングを行った。TAMラジカルを腹腔内投与したマウスにおいて、頭部のイメージングに成功した。得られた画像は、血流内に含まれるラジカルを可視化していると思われる。
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Research Products
(1 results)