2004 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯性気候下の河川環境システムの分析に関する基礎調査
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16560451
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
杉尾 哲 宮崎大学, 工学部, 教授 (70069524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 猛 宮崎大学, 農学部, 教授 (80183292)
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
森田 哲夫 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90301382)
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
村上 啓介 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60219889)
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Keywords | 河川環境 / 物理・化学環境 / 生態環境 / 評価方法 / 環境多様性 / 人間活動 |
Research Abstract |
現在、河川環境の評価には、指標としてBODが用いられることが多い。しかし、これだけからでは複合的な河川環境の評価ができない。そこで、河川環境を様々な指標を用いて評価する新しい河川環境の評価方法の確立を検討した。本年度では、亜熱帯性気候下にある宮崎県の南半分に位置する本庄川、清武川、広渡川、千野川の4河川を対象として、物理・化学環境と生態環境の両面から河川環境を定量的に計測し、レーダーチャートで表現することによって、河川の自然環境の多様性や人間活動による河川環境への影響を定量的に評価する手法について検討した。 調査項目としては、生態系調査としては、水生生物調査とHIM指標の2種類、物理化学的調査としては、水質調査、景観、流速の3種類を採用した。水生生物の調査結果からは、指標生物による水質階級、Beck-Tsuda法による生物指数、Pantle u.Buck法による生物汚濁指数を求めた。これらの数値データを用いた検討の結果、水生生物による水質階級、生物指数、生物汚濁指数、HIM指標、景観、COD、硝酸性窒素、アンモニア性窒素、リン酸態リン、流速の10項目でレーダーチャートを描いて、その面積を比較すると、最も円形に近いのが本庄川上流、面積が小さく複雑な形をしているのが千野川旧河道であった。本庄川上流は照葉樹林が分布し自然の多様性が高い地点である。一方、千野川の旧河道は河川改修後、環境が劣化している地点である。基本的に、上流から下流になるにつれて面積が小さく、形が複雑になっていた。また、上流部の人間活動の影響が及ばない箇所では、面積率が70%以上の高い値となった。下流部の人間活動の影響を受けた箇所では、面積率が30%以下の低い値となった。以上の検討により、本手法を用いることで、河川環境に対する人間活動の影響を総合的に評価できた。
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Research Products
(1 results)