2006 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯性気候下の河川環境システムの分析に関する基礎調査
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16560451
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
杉尾 哲 宮崎大学, 工学部, 教授 (70069524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 猛 宮崎大学, 農学部, 教授 (80183292)
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 教授 (60228244)
森田 哲夫 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90301382)
村上 啓介 宮崎大学, 工学部, 助教授 (60219889)
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
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Keywords | 河川生態系 / レスポンス / モニタリング / 亜熱帯性気候 / 川づくり手法 |
Research Abstract |
河川生態環境に配慮した河川改修事業が千野川で実施され、その後の物理的な環境変化に関するモニタリング調査を実施した。開削から約4年経過した後も水路内に当初配置した自然石は現在もほぼ同じ位置にあるとともに、拳大の礫が沈み石の状況で水路内に点在する状況が確認された。また、新河道の低低水路の側岸浸食が発達し、水路自体の深掘れが観測された。側岸浸食や深掘れはホタルの生息環境にとっては必ずしも好ましくないが、ホタルの飛翔は例年観察されている。植生は旧海道と同様に微地形によって分化しており、旧海道の種組成の類似という点では植生タイプの復元に成功していた。しかし個々の種の復元度合いは低かった。セイタカアワダチソウの地下茎は、覆土20cm区で繁茂する傾向がみられ、外来種管理の必要性が示唆された。これらの結果は、表土撒出法は在来種維持と外来種抑制に効果があることを示していた。しかし、時間の経過と共に覆土による肥沃な土壌環境が外来種の繁茂を助長し、表土撒出による植生復元効果を減少させるおそれがあることが示唆された。 宮崎県内の環境上の特性が明確な本庄川・清武川・広渡川の3河川を加えて、改修後の千野川の河川環境を総合的に評価した。その結果、千野川の新河道は、化学的環境に特徴を持ち、日常的な人間活動によって十分に影響を受けた箇所に分類された。また物理的環境は、深掘れが発生したことによって比較的に良くない状態であった。 以上のように、改修後の千野川はホタルの生息に対してほぼ良好な環境が形成されているように判断されたが、河川環境の総合的な評価では、あまり良好な河川環境でないことが判明した。このことから、新河道の河川環境の形成には、低々水路の固定を解消して物理的環境を改善するなどのフォローアップが必要であることが分かった。
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Research Products
(3 results)