Research Abstract |
本年度は,初学者や市民を対象として,構造学および構造力学・安全に関する理解を深めるための分かりやすい教材開発を企画試行する。 できるだけ身近なものを材料に使い,初学者にとってより扱いやすく,親しみやすい教材の作成,同時に,広く一般に使うことができるような教材ツールとしての公開をめざす。特に目に見えない「荷重」や「荷重効果」をどのように初学者や市民に伝えればよいか,力を可視化する試みに力点を置いている。 1)教材開発コンセプトの討議 研究代表者と分担者のほか,様々な分野の国内外の研究者や教育者,使用者となる学生も交えた形で,各ツールが構造物のどのような性状を表現することができるか,また身近な道具でどのようなツールができあがるか,討議する。本年度は,現在取り組まれている構造教育・建築教育等に関する資料収集および調査を兼ねて,国内に数回,カナダのブリティッシュコロンビア大学(UBC)へ調査に赴き,海外での事例収集,研究者とのディスカッションを行った。 2)試作品の制作,実験実施 荷重と荷重効果の可視化,引張・圧縮力の理解のための実験,トラスツールを主として,試作品を使った実験,これを用いた授業シナリオの作成を行った。試作・実験の試行に際しては,研究分担者以外にも,人的援助を得て行った。授業シナリオの一部については,実際に一年次の構造・力学系導入科目で試行してみた。また,実験器具等の専門業者等と連携し,これらの教材を公開するための試作を重ねている段階である。
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