2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工造成宅地における木造家屋と瓦屋根の地震被害に関する研究
Project/Area Number |
16560518
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩井 哲 広島工業大学, 工学部, 教授 (60184850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 照雄 広島工業大学, 工学部, 教授 (10089790)
山本 春行 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (60158293)
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Keywords | 人工造成宅地 / 木造瓦屋根 / 地震被害 / 2001年芸予地震 / 地理情報システム / 数値標高データ / 微地形 / 水系網 |
Research Abstract |
2001年の芸予地震によって,広島市内では建物全壊はなかったが,丘陵の人工造成宅地の木造住宅に瓦屋根被害が多く集中して現れた。瓦屋根被害は盛土地盤上で多く発生しているのに対し,切土地盤では少ない傾向が認められた。本研究は,地震による木造瓦屋根被害と,丘陵造成地の盛土地盤厚さならびに木造住宅の常時微動特性との関連を調べたものである。芸予地震により瓦屋根被害を受けた木造住宅について,切土・盛土の地盤厚さ推定,地盤ならびに家屋の常時微動計測,振動台による瓦屋根の加振実験などから,多角的に調査した。 瓦屋根模型試験体を作成し,振動台による加振実験を行った。瓦屋根を据え付ける台の固有振動数は住宅のそれと対応する5Hzにして,振動特性の異なる2つの地震の加速度記録を用いた棟直角方向水平加振実験を行った。瓦は落下防止の釘の有る場合と無い場合の2種類とした。その結果,棟瓦に破壊が生じた時の加速度が2000〜2500cm/s^2であり,両地震とも釘で止めている場合の耐震性が高いことが分った。今後は,上下動加振による影響を検討する。 造成地について,造成前の時点の1/2500地形図から現地形の格子点標高値データと同じ位置での数値標高データ(DEM)を作成し,旧地形の地形形状を解析すると共に,現地形のDEMとの比較から造成による切盛り量を明らかにした。盛土厚さと造成前の旧地形の斜面勾配である盛土下傾斜角が災害発生率や災害規模に大きく影響を与えるという既往の研究を参考にし,造成前の地形の解析を行った。斜面勾配と水系網解析から得られる集水面積によって豪雨による斜面崩壊災害素因の抽出を,現地形ならびに盛土下の旧地形について行った。得られた結果は画像化し,地理情報システム(GIS)を用いて地図と重ね合わせ,個々の構造物を確認できる大きさのレベルで細部を詳しく見ることと,全体を俯瞰することの両立を可能にした。
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Research Products
(6 results)