2005 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用個別分散型電熱源によるエネルギー自立型サステイナブル住宅の研究
Project/Area Number |
16560524
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡邊 俊行 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (60038106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 泰義 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (60243896)
高口 洋人 九州大学, 人間環境学研究院, 学術研究員 (90318775)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / コージェネレーション / 数値シミュレーション / 省エネルギー / CO_2排出量削減効果 / 光熱費削減効果 / 実測試験 / 地域比較 |
Research Abstract |
福岡市アイランドシティに建設されたエネルギー自立型サステイナブル住宅に、固体高分子形燃料電池コージェネレーションシステム(PEFC-CGS)試作機を設置し運転性能試験を行った。実測結果から、PEFC-CGSの部分負荷効率、起動停止時エネルギー消費量、貯湯槽からの熱損失等の機器特性を明らかにし、これらの試験結果を基に、PEFC-CGS導入時のエネルギー消費量を算出する数値シミュレーションプログラムの構築を行った。シミュレーションでは、住宅における1分間隔の電力、給湯負荷データを入力し、PEFC-CGS導入時の電力消費量、発電電力量、ガス消費量等を算出する。最終的には検討期間の消費量積算値から、1次エネルギー消費量、CO_2排出量、光熱費を算出し、PEFC-CGS導入による省エネルギー効果、費用対効果を導くモデルを採用した。 構築したプログラムを用いて、PEFC-CGSの最適な運転方法を検討したところ、予め最適となる起動停止時刻を設定してPEFC-CGSを運用するという『DSS(Daily Start & Stop)運転』が最適であることが明らかになった。日本の一般的な住戸にPEFC-CGSを導入し、DSS電力負荷追従運転で運用した場合、従来システムと比較して、1次エネルギー消費量を年間約11%、CO_2排出量を年間約16%削減できる。また、逆潮流を考慮し定格出力でPEFC-CGSを運用した場合には、削減率は更に1〜2%高くなる。地域別で比較した場合、給湯負荷が大きくなる高緯度地域ほど削減率が高くなる。また、コスト削減効果を試算すると、CGSに対応したガス料金プランが設定されている全ての地域(北海道、仙台、東京、大阪、広島、福岡)において、PEFC-CGSの目標販売価格(50万円)とガス給湯器の価格(30万円)との差額20万円を目標耐用年数10年内で回収することが可能となった。さらに、燃料電池の排熱を有効利用する組み合わせとして、床暖房システムとデシカント換気システムとのコンビネーションシステムの有効性についても検討し、その効果を確認した。また、エネルギー自立型サステイナブル住宅では室内温熱・空気環境を計測し、良好な環境であることも確認した。
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Research Products
(10 results)