2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境汚染微量有害物質の揮発度のデータベース作成および推算手法開発
Project/Area Number |
16560666
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
福地 賢治 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00117235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 康彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50005435)
小渕 茂寿 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30225560)
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Keywords | 相平衡 / 無限希釈活量係数 / ガス・ストリッピング法 / 水 / 芳香族 / アルコール / 微量有害物質 / グループ寄与法 |
Research Abstract |
平成18年度は、前年度開発した無限希釈活量係数測定装置(高感度TCD内蔵)を駆使して、無限希釈活量係数を系統的に集積した。溶媒として水をとりあげ、溶質として芳香族(ベンゼン、トルエン、p-キシレン)の測定を10〜50℃で行った(福地)。また、現有するFID内蔵のガスクロマトグラフを中心とする無限希釈活量係数測定装置による水中の芳香族の測定も行い、再現性を確認した。さらに、本研究で開発した測定装置を用いて、デカノール、ドデカノール中の水の測定を30〜60℃で行った。データ収集の効率を図るために、PCインテグレータを導入して、パーソナルコンピュータによるガスクロマトグラムの整理を行い、精度の向上を図った(福地)。測定したデータに対して健全性の評価を行い、無限希釈活量係数のデータベースを構築した(小渕)。 また、集積したデータに立脚し、工学的に有用な無限希釈活量係数の推算法を提案した(荒井)。前年度までに開発した新しいグループ寄与法のモデルを発展させ、必要なパラメータを沸点などの基本物性値と相関することで一般化し、有機系有害物質の無限希釈活量係数を推算した。さらに、正則溶液モデルによる炭化水素2成分系の気液平衡の推算を試みた(福地、荒井)。無限希釈活量係数推算法である本研究の修正ASOG法の汎用性を高めるために、グループ対パラメータのデータベース作成を行った(小渕)。以上、環境汚染微量有害物質の無限希釈活量係数の測定データを集積し、汎用性の高い活量係数モデルの提案をすることが本研究の目的であり、工学的に極めて有用な本研究独自の成果となった。 研究成果の一部は、第27回日本熱物性シンポジウム(京都,11月9-10日,2006)、第9回化学工学学生発表会(大分,3月3日,2007)に発表した(福地)。また、素材物性学雑誌(20巻1号,3月,2007)に発表した(福地、小渕、荒井)。さらに、研究成果を第8回アジア熱物性会議(福岡,8月21-24,2007)と第38回化学工学会秋季大会(札幌,9月13-15日,2007)に発表予定である(福地)。
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Research Products
(2 results)