2004 Fiscal Year Annual Research Report
多機能受容体RAGEによるシグナリングネットワークの解明
Project/Area Number |
16570113
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40303268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 秀人 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (80240373)
山本 靖彦 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20313637)
山本 博 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00115198)
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Keywords | RAGE / AGE / チロシンリン酸化 / FRET |
Research Abstract |
RAGE(receptor for AGE)の細胞内シグナリング経路を解明するため以下の解析を行った。 1.AGE(advanced glycation endproducts)刺激によりRAGE依存的にチロシンリン酸化が亢進するタンパク質の同定 (1)全長型のRAGE分子を過剰発現している血管内皮系細胞株ECV細胞と、細胞内ドメインを欠失しているRAGE分子を過剰発現しているECV細胞をglyceraldehyde-derived AGEおよびglycoraldehyde-derived AGEによって刺激し、両者の細胞溶解液を抗リン酸化チロシン抗体を用いたウェスタンブロットにより解析した。この結果、全長型RAGE過剰発現細胞でのみチロシンリン酸化が亢進するタンパク質を複数同定することができた。これらの中のいくつかのタンパク質は、その分子量から新たなRAGE依存性チロシンリン酸化タンパク質と考えられた。 (2)当該タンパク質のチロシンリン酸化の程度とAGE刺激時間の関係を検討したところ、当該タンパク質のチロシンリン酸化は刺激開始後5〜10分でピークに達し、40分後には刺激前のレベルに戻ることが明らかになった。この経時変化から、これらのタンパク質がシグナル伝達経路の上流に位置する可能性が示唆された。 2.FRET法によるAGE刺激依存的RAGEオリゴマー化の解析 (1)RAGEの細胞外ドメインに結合し、かつAGEの結合を阻害しないモノクローナル抗体を作製した。 (2)このモノクローナル抗体を蛍光色素Alexa488およびAlexa555で標識した後、全長型RAGE過剰発現ECV細胞培養液に加え、細胞膜上のRAGE分子に結合させた。この細胞をAGEで刺激し、刺激依存的なRAGEのオリゴマー化をFRET法によって検出可能か否かを検討した。現在のところ、RAGEのオリゴマー化を証明できるような所見は得られていない。
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